理想怪奇「死竜魔」 (ページ25)

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第三章　【禁忌の修道士】ページ25

「え、あぁ、ありがとう。でも良いのか？」
「構いません。決闘の勝利者は敗北者に一つの要望を通させる。それがルールです。しかし貴方は私に何かを要望する事はなかったので、私が進言した……。そうすれば問題は無いでしょう？」
「そういう意味じゃ無いんだけど……まあいいや。ありがとうな」
　治療が終わり、改めて地下への階段を見る。そこから込み上げてくるような負のオーラ、それに覚えがある。あの時、夢の珠を奪っていった例の竜人族の男だ。ビリビリとするアイツのプレッシャーが地上にも届くなんて、一体あそこでは何が起きているのか……。
　そう考えた矢先、遠くで爆発音のような音がした。

「今のは……！？」
「きっと、ルナディと戦っている音でしょう。私は彼女をルナディに任せて貴方の相手をしたのです」
「夢乃が戦っているのか！？」

　うなずく相手を見て、咄嗟に階段を駆け降りる。
　お願いだから、無事でいてくれよ……！そう願わずにはいられなかったのだ。

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