ミニうしさせ、拾いました。【浦島坂田船】

30. 油断大敵(ﾘｸ) ページ30

……唐突に目が覚めた。

スマホを見れば、午前3時13分。


どこからか、何かの気配を感じた。


隣の家で寝ているはずの4人がいない。


嫌な予感がする。


……私の嫌な予感はいつも当たるのだ。



幸い目が暗闇に慣れていたので、

無事にリビングにたどり着いた。



暗闇の中で目を閉じて、先程感じた気配を感じ取る。



…………



「っ……！」


聞こえた。

密かにうごめくその音は、紛れもなく……。


私はすばやくリビングの入口に常備している秘密兵器を手に、

恐る恐る部屋の電気をつける。



部屋をぐるりと見渡す。




(…あれ？)



どこを見ても『それ』はいない。


……あ、4人とも居た。


「あ、A。なんか気配感じたから下に来たんだけど……」

「うら達も？」


(……でも、気のせいだったかな……？)



ほっと安心しつつ、私はリビングから出ようと後ろをむいた。




「……」



そこには、




恐ろしい生命力を持ち、人々の生活を脅かし、


生き抜くために仲間を喰らうこともある。


人の子の髪１本を食えば、最大１ヶ月は生きられるという、



宇宙からの侵略者のような存在。





人類最大の敵である、と言っても過言ではない、



アイツがいた。






「ああああああああああああああああ」

「ぎゃああああああああああああああああああああああ」

「じいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

「じ、じ、じじじじじじじじ」


気絶寸前で壊れた目覚まし時計みたいになったせんと叫んでいるほかの3人を避難させつつ、

私は秘密兵器である殺虫スプレーと虫取り網を手に取る。


「…いくよ」


1歩踏み出し、虫取り網でGを…


捕らえる…！


…ﾝｼﾞｼﾞｼﾞｼﾞｼﾞｼﾞｯ！！


「ぎゃああああああ」


私は叫びながら、Gにスプレーをかけた。

のにも関わらず、Gの動きは一向に収まらない。

そこで私は、自分の手に持っていたのがファブリーズであることに気づいた。


「しま！殺虫スプレー！」

「お、おう！」


しまが素早く渡してくれたスプレーをありったけの力を込めて、Gにかける。


それからまもなくして、Gの動きが鈍くなっていき。

Gはお陀仏になられた。


「…私達の勝利」


すでにお亡くなりになられているGにスプレーをかけながら、

私は右手の拳をあげて、勝利を唄ったのだった。

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