ミニうしさせ、拾いました。【浦島坂田船】

6.バレンタイン ページ6

『〜〜〜〜♪』

「おれこの恋味いちご食いたい」


テーブルの上から、CMが流れるテレビを眺めるさか。

ガーナの新しい味なんだよね。


「そう言うと思って買ってあります」

「ぬゎんだってぇぇえぇぇぇぇ！！！」


さかは目をキラキラさせ、叫びながらこちらに飛んできた。


「うわっ」


私の肩に見事に着地(正確には激突)したさかは、床へと転げ落ちていった。


「せんらもたべたーい」

「おれも〜〜」


変な動きをしてこちらに近づいてくる黄色の人とそれを眺める紫の人。


そして常に冷静沈着で真面目なうらはというと……


「…」

「うら、何してるの？」

「…ｴｯ,ﾅﾝﾃﾞｽｶ」


怪しい。こいつ…甘いもの好きだったよね。


私に背を向けて、こそこそしているうらを正面から覗き込む。


「……」


口の周りがピンク色になってる。

そして、その手には。


「勝手に食べたなぁ？」

「ひぃいごめんなさいぃいぃ」


と謝りながら手に残っているいちご味のチョコレートを頬張る…。


まぁいいや、どうせ今からあげようと思ってたし。


可愛いし。許す。



「いただきまーす」

「わーーい！！」

「ほんのりジャスミンの香り」


みんな嬉しそうでよかった。

1人ようわからんこと言うてる人おるけども((


1人1枚。なんたる贅沢。



「Aー、カフェオレ飲みたーい」

「すごー、私も今飲もうと思ってた」

「はやくはやくはやくはやくはやく」

「はいはいはいはいはい」

まったく。しまは可愛げがないんだから。


私は腰を上げ、キッチンに向かった。

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