クライ審神者~ぱーと１~【刀剣乱舞】【FAIRY TAIL】

もぐもぐ28回 ページ29

一期一振side


暗い、暗い

寒い、冷たい

この感触を良く覚えてる

主の霊力だ


部屋に入る度に感じる霊力と甘ったるい匂い、べっとりと塗られた口紅

一期一振、とねっとりとした声が私の名前を呼ぶ



やめてくれ、これ以上貴方の霊力を感じさせないで





ここは冷たい、暗い、寒い、痛い、辛い




骨喰を信濃を包丁を前田を乱を鯰尾を秋田を叔父上を折った人間が憎い


憎い、憎い憎い憎い憎い憎い！！！


殺してやる、私がやらなければ！






その時後ろから暖かいものに包まれた

『もう、大丈夫だよ……もう君を縛る主は居ない、もう無理しなくていいんだ、良く頑張ったんだもの、もういいんだよ……お疲れ様』

鈴の様な風の様な声は彼女の声だ

「もう……頑張らなくて良いのですか？」

白い手は私が刀を持ち構えていた手に重ね、ゆっくり下に下ろされる

『今はゆっくりお休み』

「もう、大丈夫なのですか？」

『もう、大丈夫だよ』


いつの間にか主だった彼女は消え失せ、世界は黒から白に染まる

もう暗くない

もう寒くない

もう冷たくない

もう痛くない


私はゆっくり瞳を閉じる


『お疲れ様』

「……ありがとうございます、主殿」



世界は、私は光に呑まれていく

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