彼女は___4話が。 ページ6
「ﾋｭｯ……ﾊｯ、ﾋｭｰ」
小狐丸の刀は薬研藤四郎の顔ギリギリでピタリと動きを止めた、それにより薬研藤四郎はか細い息をやっとのことで吐いた
薬研藤四郎の目線の先には白く細い腕が小狐丸の腹辺りに回されているのが見えた
その腕に薬研藤四郎は心底安堵した、思わず涙が零れるほど
『小狐丸お兄さん』
そのいつもより落ち着いた声に、小狐丸の肩がピクリと揺れた
『私は大丈夫……私の為に怒ってくれたんでしょ？……心配かけてごめんね、ありがとう』
彼女だった、彼女は優しくまるで赤子を寝かしつけるかのような声色でゆっくりと言葉を発した
「……A……？」
『そうだよ、小狐丸お兄さん……ここにいるよ』
小狐丸の手から刀がガシャンと音を立て、足元に落ちる
そして黒く鋭い爪の目立つ震えた両手で顔を覆い、膝から崩れ落ちる
「わたし、は」
『大丈夫、ほら……戻っておいで』
崩れ落ち、俯く小狐丸の前に彼女は目線を合わすようにしゃがみ、頭を撫でた
それを覗くように見る小狐丸の黒く真っ赤な瞳を見た彼女は驚いたように目を見張った、そして直ぐに目を細めると、小狐丸の頬に手を伸ばした
『……その瞳でも好きよ、私は』
『でもね』と彼女は続ける
『ちゃんと戻して、元の……私の小狐丸お兄さんで居てね！』
彼女は立ち上がり、少女の頃のような笑顔を浮かべ、手を差し伸ばした
その手を、小狐丸はゆっくりと掴んだ
その瞬間、黒く染まる視界は一体どちらか
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 184人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月明かりと紅色(プロフ) - ある朝の雨さん» コメントありがとうございます！かっこいいって言ってもらえてすっごい嬉しいです！更新頑張ります！(*´∀｀*) (2019年2月1日 1時) (
レス) id: 3bb1cfaed2 (このIDを非表示/違反報告)
ある朝の雨 - はわわわわ……むっちゃカッコいい!!しかも、続きが気になります(*>ω<*)更新、頑張ってください!! (2019年1月31日 22時) (レス) id: ada347336c (このIDを非表示/違反報告)
月明かりと紅色(プロフ) - 白さん» コメントありがとうございます！私も自分で言うのもあれですが結構好きです。 (2019年1月1日 15時) (レス) id: 3bb1cfaed2 (このIDを非表示/違反報告)
白 - これめっちゃ良いじゃないですか。最高です。更新頑張ってください。 (2019年1月1日 8時) (レス) id: 09ba0af9d7 (このIDを非表示/違反報告)
月明かりと紅色(プロフ) - 蒼羅さん» コメントありがとうございます！好んでくださるならありがたいです！これからも更新していくので是非見てください！ (2018年12月28日 19時) (レス) id: 3bb1cfaed2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月明かりと紅色 | 作成日時：2018年12月28日 0時
