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第4話 ページ6

「本当に良いのですか?」

『何度も聞かないで頂戴、別に歩いて行くくらいいいじゃない』



彼女はセーラー服を身に惑い、スタスタと道を歩く

その後ろを何時ものよう(執事)が付いて歩く



彼女は今日、歩いて学校に行くと言い出したのだ



「しかし……」

『(執事)』



言いかけた(執事)の言葉を遮り、彼女は振り向く

その瞳は以前、彼女が召し使い達に向けた瞳と同じ冷たい瞳だった




『貴方ごときがわたくしに意見すると言うの?』



体をビリビリとした刺激が走り、(執事)は思わず跪いた




『貴方の主人は一体だぁれ?』



尚も冷たい瞳を向ける彼女に(執事)は



「Aお嬢様です……」

『よろしい』



震えた声で呟いた



彼女は踵を返し、また歩きだす

(執事)はなにも言わなくなった





ふと、彼女の頬に雫が落ちてきた

そしてポタポタと降りだすそれは雨

空は快晴、所謂狐の嫁入りだ




上を見上げていたAは気付かなかった

俯いていた(執事)は気付かなかった




こちらに向かってくる黒い影に




そしてその手に握られていた、キラリと光るものに







ぐちゅ





そんな肉が裂ける音が彼女の耳に届いた




『……え』




彼女の体は人形の如く、後ろに倒れていく




「お嬢様!!!」



(執事)が彼女を支える




「へへっ……これで御門グループは終わりだ」




心底嬉しそうな弾んだ声が、二人の耳に残る




彼女はただ


『あぁ……死ぬのか』


そう呟いた








(執事)が何か言っている様だけど

ごめんなさい、もう私には聞こえないの

あぁ、なんだか寒くなってきたわ

もう寝るわね






彼女はゆっくりと目を閉じる





胸部からは絶え間なく赤い血が溢れていた

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Momo_Tarou(プロフ) - 面白すぎます!!更新がとっても楽しみです!!頑張ってください!! (2020年1月17日 21時) (レス) id: 55132ee02b (このIDを非表示/違反報告)
月明かりと紅色(プロフ) - 愛梨沙さん» コメントありがとうございます!なんとか頑張ります! (2019年10月6日 16時) (レス) id: ce1b07ed69 (このIDを非表示/違反報告)
愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます (2019年10月6日 16時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
月明かりと紅色(プロフ) - まゆさん» 優しいコメントありがとうございます!頑張ります!なんとか完結できるよう頑張ります!もう本当に、コメントありがとうございました! (2019年8月5日 22時) (レス) id: ce1b07ed69 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年8月5日 21時) (レス) id: f826ed1a12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月明かりと紅色 | 作成日時:2018年9月27日 23時

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