第18話 ページ20
こちらの器具は少し慣れなかったけれど、なんとか足手まといにはならずに済んだ
『悪いのだけど千鶴、私は少し着替えてくるから後は任せていいかしら？』
「うん、でも出来るだけ早く帰ってきてね」
『えぇ……(執事)、あれは持ってきたかしら』
そう呼ぶと、どこからともなく音もたてずに(執事)がやってくる
「はい、こちらですお嬢様」
『えぇありがとう』
私は事前に調べておいた((執事)が)空き部屋に入り、服を着替える
ワイシャツに黒の上下、最後に黒のウィッグをすれば
御門の跡取り息子の完成だ
『行くぞ、(執事)』
「仰せのままに、A御坊っちゃま」
広間に戻ると、わーわーと賑やかな声が聞こえてくる
そして(執事)がいつものように襖を開け、中に入る
その瞬間、声がピタリとやんだ
「えっと……誰だ？」
近藤局長が驚いたように聞く
『まぁ、酷い……先程までいたのにもうお顔をお忘れで？』
「もしかして……Aちゃん……？」
千鶴はこっちを指差して僕の名を呼ぶ
『あぁ、そうだよ千鶴』
「えぇぇぇ！？」
『そんなに違って見えるかい？』
「……確かによく見たらAちゃんだけど」
僕らは適当に角の空いてるところに座る
その隣には沖田一番組組長
「へぇ、Aって名前なんだ」
『えぇ、どうぞお好きなように御呼びください』
「じゃあAちゃん、て呼ぼうかな？」
『……もういいです』
僕は半ば諦めたようにため息をつく
「いやぁ、あの少女がここまで……」
「えぇ、一見普通の男子ですね」
「でもよく見たら普通に女だな」
『……これでも18年男としての教育も受けてきたんですがね……』
「へぇ、というか18歳なの？」
『えぇ、18です……来週辺りで19になりますが』
「じゃあ俺と同い年なんだな！」
『そうなりますね、藤堂八番組組長』
「なんだよ、その堅苦しい呼び方！普通に「平助」でいいよ！ですますもなしな！」
『……あぁ、分かった平助』
その時
「よそ見とは感心しねぇなぁ！」
永倉二番組組長が平助の膳に手を伸ばした
それを合図に、飯の取り合いが始まった
なんて賑やかなんだろう
今まで一度も感じたことのない賑かさに
ふと頬が緩むのを感じた
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Momo_Tarou(プロフ) - 面白すぎます！！更新がとっても楽しみです！！頑張ってください！！ (2020年1月17日 21時) (
レス) id: 55132ee02b (このIDを非表示/違反報告)
月明かりと紅色(プロフ) - 愛梨沙さん» コメントありがとうございます！なんとか頑張ります！ (2019年10月6日 16時) (レス) id: ce1b07ed69 (このIDを非表示/違反報告)
愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます (2019年10月6日 16時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
月明かりと紅色(プロフ) - まゆさん» 優しいコメントありがとうございます！頑張ります！なんとか完結できるよう頑張ります！もう本当に、コメントありがとうございました！ (2019年8月5日 22時) (レス) id: ce1b07ed69 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年8月5日 21時) (レス) id: f826ed1a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月明かりと紅色 | 作成日時：2018年9月27日 23時
