【薄桜鬼】彼岸花に埋もれて。

第12話:errat ページ14

その時、眼鏡の人が手を上げた


「1つよろしいでしょうか？」

『……なんです？』


ドクンドクンと心臓が跳ねる

何か、何か見落としてる気がする


「貴方は土方君が「昨日の事は何も見てないか」と聞いたとき、貴方は「えぇ」とはっきり答えました」


ドクンッ、と大きく心臓が跳ねた


「一般的であれば「なんの事か分かりません」等が付け加えられた返答になる筈なのですが……どうご説明しますか？」

『……分からないことなのですから「えぇ」と返答してもさして違和感はないかと思いますが？』

「「昨日は何も見てないか」というのであれば自然な返答ですが、「昨日の事は何も見てないか」という返事に対しては違和感を覚えますね……」

『つまり貴方は私が断言したことに違和感を覚える……と言うことですか』

「そう言うことです」


……確かに、あそこでしっかりと断言するのはいささか可笑しい

彼の話は理にかなっている


やられた



『……はぁ、どうやら彼に一本取られたようですね……えぇそうですとも私は昨日見ましたよ、あの化け物を』

「やっぱりか」

『いやぁ、そちらにはとても優秀な頭脳をお持ちのかたがいらっしゃる……せいぜい大事にしてくださいね？』



『さぁて、私をどうします？殺します？それとも全員で回してセイヨクの処理にでも扱いますか？あの化け物の餌にするのもありですねぇ』

「なんだ、君嘘つきなんだ」

『嘘つきで何か悪いですか？沖田総司さん
人は嘘をついて生きていく生き物だもの、人間なんてみんなそうでしょう？自分を守るために自分のために、いくらだって平気で嘘を吐く……そういう生き物でしょう？』



そう語る彼女は

何故かとても悲しそうだった


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erratはラテン語で間違いを意味します


理由が結構こじつけだった気が……気のせいでありますように！

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