第10話 ページ12
「あっあの!沖田さんは何かご用があったんですよね?」
女の子が慌てて沖田総司に話しかけた、きっとこの空気に耐えられなかったのだろう
「うん、この子を連れてこいって土方さんに頼まれちゃって」
『そうですか、なら行きましょう……ここで話しているのは時間の無駄とみましたから』
「はいはい、ほんと君囚われ者の自覚ないよね」
沖田総司は前を歩き出すので、その横を付いて歩く
『自覚はしてますよ、ただその程度で自分を曲げるのが嫌なだけです……それに私は悪いことをした覚えはありませんから』
「ふーん、まぁ泣き喚かれるよりはマシかな」
『確かに泣き喚かれるのはいささか面倒ですね、そう言うときは口を猿轡でもしたらどうです?……あ、尋問の類いだとダメですね』
「……なるほど、君案外肝が据わってるわけね……そう言うの嫌いじゃないよ」
そしてまた無言になり、ふと彼女は沖田総司の横顔を見上げた
『……あぁ、貴方』
『案外優しいんですね』
彼女が目を細め言うと
「は?」
素っ頓狂な声を上げた
『ふふっ……あぁほら、着いたみたいですよ?』
彼女は小さく吹き出し、直ぐ様前に目を向けた
「(なっんか調子狂うなぁ)」
沖田総司は顔を怪訝そうに歪め、襖を開いた
そこにはざっと10人位の人が座っていた、そしてその中心に座らされる私
彼らの視線は私にだけ向けられていた
緊張なんてしない、以前だってこれ以上の人間に囲まれていたことだってあるもの
「さて、それじゃあ本題に入るとしよう」
柔らかい声色で言う人は優しそうに笑っている
あぁ、この人は騙しやすそう
そのとなりに髪をポニーテールにまとめ、紫の鋭い瞳でこちらを睨む人
この人も案外騙しやすいかも、というか目付きが悪い
そして眼鏡をかけた人は微笑んでいるも
この人は怖い人だ、何を考えてるか分からない人は一番怖い
「早速だが……てめぇは昨日、何を見た?」
目付きが悪い人が問う
大概の人は怯えてしまうような眼光
だけど
『さぁ?なんのことでしょう?』
私だって伊達に跡取りとして生きてない
殺されかけたことだってある(実際に刺されたけど)
その程度の殺気じゃあ怯んだりしたない
さぁ、策略の時間だ
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Momo_Tarou(プロフ) - 面白すぎます!!更新がとっても楽しみです!!頑張ってください!! (2020年1月17日 21時) (レス) id: 55132ee02b (このIDを非表示/違反報告)
月明かりと紅色(プロフ) - 愛梨沙さん» コメントありがとうございます!なんとか頑張ります! (2019年10月6日 16時) (レス) id: ce1b07ed69 (このIDを非表示/違反報告)
愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます (2019年10月6日 16時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
月明かりと紅色(プロフ) - まゆさん» 優しいコメントありがとうございます!頑張ります!なんとか完結できるよう頑張ります!もう本当に、コメントありがとうございました! (2019年8月5日 22時) (レス) id: ce1b07ed69 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年8月5日 21時) (レス) id: f826ed1a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月明かりと紅色 | 作成日時:2018年9月27日 23時