アバンチュール (ページ17)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:66,965 hit

side目黒ページ17

翔太くんと舘さんが来る2日前にふっかさんが

お見舞いに来てくれた

目「ふっかさん休みなのに･･･」

深「いいって！来たくてきてんだから～」

お前が好きそうなやつ買ってきたと

テーブルの上に広げ始める

いや、量えぐくね･･･？

深「で、どんな感じよ？体調は」

目「もう大丈夫っす」

正直傷はまだ完治してなくて病室から出ちゃ駄目って

言われてるけど体調が良いのは本当だし

深「あ、そうなの？病室から出ていい感じ？」

目「･･･大丈夫っす、ふっかさん散歩行きましょ」

まあ少しくらいなら病室出ても大丈夫だろ

ずっと篭ってたらストレスで変になるし･･･

そう言い聞かせてふかっさんと中庭に向かった

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

深「おー、なにここ綺麗じゃん」

目「俺も初めて来た、噴水あるしやばっ」

草木が沢山生えていて、ベンチに小さな噴水と

自然豊かな中庭だ

目「ここ、座りましょ」

ふっかさんと貰ったお菓子を食べながらたわいもない

話をひたすらした

深「･･･目黒、なんでも相談していいんだからな？」

目「･･･あ」

深「家族だと思ってるからさ･･･目黒が思ってるより

みんな心配してる、とくに康二とか(笑)」

目「･･･そっすよね」

康二も時間を見つけては顔を出してくれた

怒鳴ったこともまだ謝れてないのに、変わらず

接してくれるから、その優しさに甘えている

深「････目黒が何抱えてんのか、正直分かんないけど

話してもいいなって思えたらいつでも言って」

目「うん･･･」

じゃあ戻るかって笑いながら頭をくしゃっとする

信用してないわけじゃない･･･

みんなに康二との関係を晒してもし軽蔑されたらって

考えたらどうしても言えなかった

あの後病室に戻ったら看護師にめちゃくちゃ

怒られた、ついでにふっかさんも巻き添え

目「悪いことしたなー･･････あ」

ふとベッドサイドに飾られた花が視界にはいる

この前花瓶を割ってしまったから新しいのに

交換してもらった

目「康二がくれたのに･･････少し枯れてる」

元気のない花弁をそっとなぞる

(オレンジ色の、なんて名前だったかな･･･)

少しずつ枯れていくこの花が、なんだか

俺と康二の関係を表してるみたいで切なくなった

(俺は･･･康二をどうしたいんだろう)

俺みたいな奴が

“ 綺麗 ” なアイツの傍にいていいのだろうか