キム・ミンソク主任！ 3

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「でたーーっ 久しぶりに出た！」


来る途中の給湯室が騒がしくて何事かと思った。



オフィスに入ってすぐに目がいってしまうのはやっぱり主任なんだけど。


うわ。

…大変だ。


主任の前髪が下りてる。
センター分けになってる主任。


私も見るのは久しぶりすぎて
完全に会社の女の子たちと同じ気持ちになってる。




はぁ…かっこいいな。ほんとに。
上げてるのもかっこいいんだけど、こっちはレア感があるんだもん。


……また騒がれるじゃん。
やだな。
私の前髪だったのに。




主任…
なんかあったの？


朝慌ててたってこと？
…寝坊？
…やる気なかった？
…んー…ホテルから直行？


…ホテルってなに？！？！



だめだ…主任の前髪が下りてるだけで
自分の調子が一気に狂っていく。


変な妄想始まるし…だめだだめだ…



その日の主任は疲れた顔してて
たまにパンパンッて自分の頰っぺた叩いては険しい顔して。






「パク」


主任に呼ばれてパッと見たけど
主任は私のことを見てなかった。


「はい」


「…これ。よく見ろ。人事部長と営業部長の名前逆になってる。」

ほら言わんこっちゃない。
主任の前髪のせいでミスしたじゃん…


「すみません！すぐに直します」

「あぁ」


………あれ？

主任…


全然こっちを見ないし

怒らない

こんなしょーもないミスは久しぶりだった。
いつもだったら絶対怒るのに…






前髪は次の日には上がってたけど
その日を境にほんとに私の顔を見て話さなくなった主任。





『お疲れさま』

「おつかれギョンス」

『こないだAのお父さんのヤケ酒付き合った』

「えーなにそれ」

『いや、ずっと拗ねてるっておばちゃんに聞いたから誘ったんだけどさ。』

「なんか言ってた？」

『なんだかんだ言ってたけど、Aが帰ってくるの楽しみにしてるっぽい』

「ほんとに？」

完全にお父さんのことほったらかしだったけど…
ギョンス、お父さんのことフォローしてくれてたんだ…感謝だな。

「お父さん酔っ払ったら大変でしょ？
ギョンス大丈夫だった？」

『あーもーAの酒癖はお父さん譲りだな。
あの酔っ払い家に連れて帰るの大変だったよ。
もーしばらくは遠慮する。』

「私お父さんみたいじゃないし！」

『いーや、そっくりだから。』

ギョンスからたまにかかってくる電話は
ちょっと気晴らしになる。




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