（３２）暗がりの中の ページ35
.
Aに任務が入ったその日は、雨の日だった
高専から支給された黒い傘を差し、素早く任務を終えて帰り道を散歩しながら歩いていた
しばらくして後ろから声をかけられて振り返ると、高専とは違う黒い服に身を包んだ人
その人が頭に被っていたフードを外すと、Aは表情を和らげた
「久しぶりだね、A」
『わぁ…私の名前覚えてたんですね、夏油さん』
「君も覚えているじゃないか」
『忘れてたんですけどねー、真人にこの間会って聞きました』
「そっか」と優しく微笑みながらAの横へ並ぶ
そのままゆっくりと歩き出した夏油に、Aも自然と合わせて歩を進めた
特に会話することも無く、数分歩いた頃
Aは夏油の表情を横目で見つつ、こう言った
『夏油さん、猫は好きですか？』
「…？ 急になんだい？」
『単なる興味ですよー』
『深く考えずにどーぞ！』とあまり無垢な笑顔でそう言うので、夏油は言われた通りに深く考えずに答えた
「嫌いでは無いし、好きでもないかな」
『んー、…まぁ嫌いじゃないならいっか』
すると次の瞬間、ポワンッと吾郎さんが出てきてAの肩に乗っかっていた
「！…驚いた、君の式神？」
『そんなところです。
あくまでも夏油さんとは敵対する関係にあるので詳しくは教えられませんけどね』
雨が止んだため、傘を閉じる
それと同時に辺りに日が差し込んで、綺麗な虹がかかり始めた
「どうして式神を出したんだい？」
『それは…… 夏油さんが疲れている顔をしていたから、ですかねー』
「……！！」
夏油がAに声をかける数分前、夏油は呪霊を取り込んでいた
その味を簡潔に言えば、不味い
慣れたし疲れることも無い、とそう思っていたのに、Aは少しだけ顔に現れた疲れを見破ったのだ
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1530人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピピピーナッツ - マリイさん» 此処は夢小説という界隈ですし、おっしゃていることは十分分かります。しかし、どの様な界隈でもマナー、ルールを守ってください。長文失礼しました。そしてこういったコメントへの反応を不快に思われた方は、御手数おかけしますが、私のIDを非表示にでもしてください。 (2021年2月21日 8時) (
レス) id: 747155de06 (このIDを非表示/違反報告)
ピピピーナッツ - マリイさん» 連続でコメントすみません。えっと…失礼ですが、それはお話に関係のあることでしょうか…？貴方様の愛は、此方から見てもひしひしと感じられます。その想いはとても素敵だと思います。ですが、このコメント欄はあくまでもお話の感想を述べる場所です。 (2021年2月21日 7時) (レス) id: 747155de06 (このIDを非表示/違反報告)
ピピピーナッツ - コメント失礼します。夢主ちゃん可愛らしいですね！このお話も、ほのぼのとしていて見ていて癒されます…！これからも更新頑張ってください。 (2021年2月21日 7時) (レス) id: 747155de06 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鉛 - 小6のわたし:144cm お話の子:ほとんど同じ 草 (2021年2月8日 17時) (レス) id: 0d8498869d (このIDを非表示/違反報告)
チビじゃねぇし、お前らが高すぎんだよ。♂ - え、可愛え……… (2021年2月8日 1時) (レス) id: 175edfd33c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ほやっく | 作成日時：2021年2月7日 13時
