【刀剣乱舞】時間遡行軍に愛された少女＊完結＊ (ページ14)

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遊「…………ここが合戦場だ。気を引き締めていくようにな」

遊佐さんは少し遠くにいる敵を見据えてそう言った

すると、彼方君がん？と顔をしかめた

薬「どうかしたか？」

彼「……陣形が見えない…」

薬研がその返答には？と声を漏らし、一緒に陣形を確認すると、同じように顔をしかめた

…………みえない？

『私も見ていい？』

…私だったら見えるかもしれない…

すると遊佐さんがダメだと首を横に振った

遊「俺たちでさえ見えないのに、新人のAが見えるはずない」

『…でも…』

私は脇差ですよと言う前に、ぐいっと誰かに腕を後ろに掴まれた

バッと引っ張られた方を見ると…

『……なずなさん…？』

顔を怖いくらいにしかめてこちらを睨んでいるなずなさんだった

なずなさんはキッと私を睨んで言い放った

な「ここは合戦場だ。子供が遊びで来るところじゃない。

場をわきまえろ！」

………………。

するとしーん…と重い沈黙がながれた

場をわきまえろか………

ここでも言われちゃうんだな…

でも、私は前に進み、遊佐さんが見ていた方と違う方から前を見据えた

遊「！？…A！？」

遊佐さんの驚いた声が聞こえるけど、私は気にせず前をキッとみた。

な「おいっ」

………見えた。

『本陣が見えました！方陣です』

私の声に、皆が目を見開く

……ありえないって顔してるなぁ

『私は脇差です。偵察は高い方です。前までは一人でずっと出陣を繰り返していたので、

こういう状況には慣れています。でも……すみません。

次から場をわきまえます』

私はそういうとペコッと頭を下げる

…すると、頭にポンッと手が乗っかる感触がした

驚いて顔をあげると、薬研兄が微笑んでいた

薬「いや、俺たちがわからなかったところをよく教えてくれた。

ありがとな」

すると薬研兄の続いて遊佐さんと彼方君も頭をポンポンしてきた

遊「ありがとうな。少し悔しいが、次は偵察のテクニックを教えてくれ」

彼「うんうん、すごかったよ！ありがとう！頑張ろうね」

……あ…

皆からありがとうと言われ、私は何か温かいものを感じた

……なんだろう…この気持ちは

この時なずなさんが悲しそうにこちらを見ていたのを

私は気づかなかった