18話 応答拒否、それ即ち死 ページ18
そうこう考えているちにだいぶ時間が経ったらしい。
ああ、寝れるかな。
寝なくても生きてはいけるけど。
寝る気になれないのは確かだ。
あーあ、どうしよう。
そんなとき。
聞いていた音楽が止まり、ポケットに入れていたケータイが振動する。
ま
さ
か
。
無視できない謎の圧。
一向に止まりそうにない振動。
応答拒否、それ即ち死。
A『……』
応答。
「ちょっとA!!!!オレに黙って勝手にハンター試験受けに行ってるでしょ!!??」
電話の勢いで吐血するかと思った。
ほら、お兄ちゃんの電話越しの声がでかすぎてクラピカがこっち見てるよ。
というか、
え?
A『どうして…証拠は全部隠滅させた筈なのに…!!』
兄「はははー試験があまりに楽しみだったんだろうね。パソコンにオレのハンターライセンスがささったまま」
A『ハッッッ』
兄「はは、凡ミスするなんてらしくないね」
A『で、でも履歴は消した筈なのに…!!なんで試験受けに行ってるって、』
兄「そんなの分からない訳ないでしょ。というかなに?履歴消してまで行きたかった理由って」
A『うっっ』
怖すぎる。
兄「ま、詳しくは帰ってから聞くから。今何次試験目?」
A『えっ、今って』
兄「いま!!なんじしけんめ?????」
A『……さん』
兄「はあ…早く帰ってきてね。愛してる」
A『う、うん、私も……』
うっっっっっわあ。
バレた。
帰ったら絶対絞められる。
かといってそれを恐れて帰らなかったら旅団員全員で探し出して捕まった際には一生部屋から出られなくなるだろう。
そこまでではなかったけど、昔そんなことあったっけ。
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作者名:ゴンクラ命の荒川白希 | 作成日時:2023年3月17日 13時