穏やかな仮面【緑】

31 ページ32

…




真理side





Aと昔付き合っていた男。




出会った当初はすごくラブラブで、ずっとこのまま付き合っていくんだろうなぁって思える理想のカップルって感じだった。



でも、その男が急に他の女たちと仲良くし始めてAのことを後回しにし始めて。




なんかおかしいなと思ってその男に連絡をとってみたことがあった。





その時に返ってきたメッセージの中で、
俺は嵌められたんだ、Aのためにはこうするしかなかったんだって言葉があって。



当時は浮気性の男の言い訳としか思ってなかったからそこから無視していたんだけれど。




どうも今回の阿部の挙動が気になって仕方がなかった。





Aは鈍感だから気にしてなかったけれど、あのネックレスは当時あの男から貰っていたものと全く同じブランドの最新のもの。



コアなブランドだから滅多に被ることなんてないと思う。





ただの思い違いだと思いたいけれど、少しだけ怪しませて欲しい。





・





真「久しぶり」




「あぁ、久しぶり」



本当は大好きな友達を傷つけた元彼なんかに会いたくなかったけれど、何かを知っているかもと思って会うことになった。




真「当時、嵌められたんだって言ってたこと覚えてる？」




すると急に強ばる表情。




「覚えてるも何も、未だに忘れられなくて困ってるんだ。俺はまだAのことを思ってるんだから……」







真「……、今ね。



Aは阿部さんって人と付き合ってるんだけど」




「……っ！そいつだよ。






俺を嵌めたのは……






俺がAの写真をそいつに見せてから、





俺の周りに変な奴らがどんどん絡んできて追い込まれて……」







真「落ち着いて？何があったの？」





早まる心臓の音。嫌な予感しかしなかった。









…

32→←30

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す