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…
阿「突然お邪魔して申し訳なかったです。
すごく美味しかったです、ありがとうございました」
玄関で深々と頭を下げる阿部。
『いえ、とんでもないです。
美味しそうに食べてくれて凄く嬉しかったです』
頑張って作った料理が、
誰の口にも入らずに冷めてしまう寂しさを味わった事があったから、
阿部が目の前でキラキラした目で食べてくれたのがシンプルに嬉しかった。
阿「あの……もし良ければ、
またAさんの料理が食べたいです……」
『えっ?』
阿「ダメ、ですか?」
上目遣いで首を傾げながら聞いてくる阿部。
やっぱりあざとい。
『良いですよ、私も誰かのために作る方が楽しく作れるので』
阿「やったぁ!ありがとうございます!」
満面の笑みでまたお邪魔します、と部屋を出ていった阿部。
途端にシン、と静まり返る部屋に寂しさを覚えた。
・
真「Aなんか最近いい事あった?」
『えっ?』
大学の食堂で友人の真理とご飯を食べている時、
真理が突然ニヤニヤした顔で言ってきた。
真「なんか前より表情が明るいなぁって」
『そう?
特にこれと言って……』
変わったことと言えば、
阿部に夜ご飯を振舞ったあの日以来、
お互いの予定が合えば一緒に夜ご飯を食べるようになったこと。
あとは、読書カフェも休みが合えば一緒に行くようになった事くらい。
真理に阿部との一連の流れを軽く話してみる。
真「ええっ、それめっちゃ激甘じゃん!」
『いや、そういうんじゃなくて。
ただのお隣さんの読書仲間だから。』
真「ふぅ〜ん…、
まぁそれでもAが楽しそうだからいっか!
ちなみにその人の名前ってなんて言うの?」
『阿部さんって人』
真「あれ?その人23歳なんだよね?
それで大学院行ってて高身長なんだよね?」
『うん、そうだけど』
真「もしかして下の名前って亮平?」
『なんで知ってるの…?』
真「なんで知ってるも何も……、
阿部さんはここの大学の大学院にいて、
大学1のイケメンって言われてる有名な人だよ?!」
阿「あれ?Aさん?」
…
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かおん(プロフ) - わぁー!返信いただけて嬉しいです!この続きが気になる感じたまらないですね!また他の作品も愛読させていただきます! (2021年5月13日 0時) (レス) id: fe14f82703 (このIDを非表示/違反報告)
虹バラ(プロフ) - かおんさん» 感想ありがとうございます!今後の2人がどうなるか、作者自身も気になっております笑 今のところ書く予定はありませんが参考にさせて頂きます、ありがとうございます! (2021年5月12日 20時) (レス) id: dbf5e0dd75 (このIDを非表示/違反報告)
かおん(プロフ) - とても面白かったです!意味深な形で終わるのも好きですが続きが気になっちゃいます!笑もしよかったら続きお願いします! (2021年5月11日 17時) (レス) id: fe14f82703 (このIDを非表示/違反報告)
虹バラ(プロフ) - レーズンパンさん» 感想ありがとうございます!そう言って貰えるととても嬉しいです、お時間を割いて目を通していただきありがとうございました! (2021年3月18日 22時) (レス) id: dbf5e0dd75 (このIDを非表示/違反報告)
レーズンパン(プロフ) - とても面白かったです!サイコパス阿部の片鱗が見えるタイミングが凄く好きでした! (2021年3月10日 22時) (レス) id: 2d8416a236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹バラ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/royal_myrt25
作成日時:2021年2月14日 9時