戻れないから呼ばないで【オリジナル】

◆17話 ページ18

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〈A直斗君と夏祭り行くの？〉

直斗と約束した夜。
彩音ちゃん……。
そっか、連絡先交換してたんだっけ。

〈うん、なんで知ってるの？〉

直斗が彩音ちゃんのことを好きなら、邪魔はしない。
別に彩音ちゃんに協力しようとも思わないけどね。

〈直斗君に聞いた〉

へえ、連絡とってるんだ。
まあ、ばれてもいいや。
隠し通すとかできないし。

何よりまだ、二人は付き合ったわけじゃない。

〈直斗に聞いたんだ。それで？〉

なんて、言ってくるかな。

〈いや、私も約束しちゃったから。多分明日断られると思う。ごめんね？〉

……どういう。
どういう神経してるの彩音ちゃん！

いや、冗談？
ないでしょ……。
私が先に約束したんだし。

〈あっそ、彩音ちゃんも約束したんだ。わかった、じゃあね〉

ふざけないで。
私が動揺してるとか、わからせてたまるか。

……ふっ。
なんでこんな、恋愛漫画みたいなこと考えてるの？
三角関係みたいなことしてんの？
ドロドロ見たいな感じになってんの？

やだな……。

画面を操作して、今度は直斗にメッセージを送る。

〈彩音ちゃんと夏祭り行くってほんと？〉

ほんっとやだ。
めんどくさい女みたいじゃん。

もう、やめるか。
とりあえず今日は寝よう。
明日の朝、返事が来てるか確認する。

……明日の朝が、来なければいいのに。

携帯を置いてベッドに横になる。
なかなか寝付けなかった。

彩音ちゃんと直斗のこと、考えてしまったから。

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