御礼 ページ16
7月15日は私の誕生日だ。でも両親が亡くなってから当日に祝われたのなんて担当編集者である赤坂さんくらい。
でも今年の誕生日はいつもと違う。モトキ君が祝ってくれる。モトキ君が初めての彼氏だから当たり前なんだけど、彼氏に誕生日祝われるの初めてだから緊張する。でもそれと同じくらい楽しみだ。
モトキ君は有名人だからどこか外に出かけるのはちょっと難しいけど、私としては2人きりで祝ってくれる方が嬉しい。なんて恥ずかしくて言えないけれど。
7月15日になった瞬間、つまり午前0時0分。LINEが届いた。モトキ君からで、誕生日おめでとうって。嬉しいなぁ。気が付いたら口元が緩々と緩んでいて、盛大にだらしない顔になってた。
どうしよう、今日会って祝われたら嬉しすぎて泣いてしまうかもしれない。気を付けなきゃ…。
でも、楽しみだなぁ。
────約束していたのは午後6時半。ちょっと早くモトキ君の家に着きすぎてしまった。でもモトキ君はそのことに何にも言わず、家に入れてくれた。固まってる私を見て苦笑を浮かべるモトキ君。
［そんなに緊張しないでよ］
［だってお泊まり初めてだから……］
そう、今日モトキ君の家にお泊まりするんです。緊張しすぎて吐きそうなのは内緒にしとこう。動けない私をモトキ君は手を引いてリビングに連れてってくれた。クッションに座らせられたらラッピングされた袋を差し出された。
［私に？］
［うん。誕生日おめでとう］
誕生日プレゼントなんて久し振りだ…。あ、ヤバい泣きそう。開けていいよって促されたのをいいことに泣きそうなのを誤魔化すようにラッピングを解く。
出てきた物を見て目を見開く。色鉛筆だ…え、150色入り！？多分これ一番本数多いセットじゃない…！？
［こんなにいい物貰っていいの？］
［誕生日なんだから少しでもいい物をあげたかったんだ］
［でも高かったでしょ？］
［値段なんて気にしないで］
Aさんが喜んでくれるなら値段なんてどうでもいいよ、なんて言われたらさ。驚きとか困惑より嬉しさが勝っちゃうじゃん。
［ありがとう！］
だから今の私の気持ちが少しでも伝わるように、笑ってお礼を言った。
モトキ君、あのね。私のこと考えてプレゼント選んでくれただけで本当に嬉しいんだ。昔、両親に誕生日プレゼントを貰った時より凄い嬉しい。
だからこの色鉛筆は一生大切に使うね、ありがとう。
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瀧(プロフ) - mikaさん» そういうコメントくださると本当嬉しいです、ありがとうございます。私の作品が誰かの需要になってるんだと思うだけで頑張れます。でも最近更新ペース遅くなってすみません…。 (2019年11月12日 0時) (
レス) id: 6f454b9d63 (このIDを非表示/違反報告)
mika - 尊い... (2019年11月11日 8時) (レス) id: 590e6520a9 (このIDを非表示/違反報告)
mika - 更新されないと思ってたら移行してた笑 (2019年11月6日 16時) (レス) id: 590e6520a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀧 | 作成日時：2019年10月30日 0時
