4本の薔薇～another story～【Fischer’s】 (ページ31)

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シルクside

なんて、誰にも言えないけど。

少しずつでいいんじゃね？とか言っときながら何なんだよって思う。

マサイ「ただいま～」

モトキ「おかえり」

話題にしてたやつの旦那さんが帰宅してきた。

平然とマサイと会話してるモトキ凄ぇよな。

俺だったら何かしら態度に出そうだもん。

マサイ「何の話してたんだよ？」

それ聞く！？

普段そういうの聞かないくせに！！

何で今日に限って聞くんだよ！！

モトキ「中学の時Aちゃんのことどう思ってたか」

マサイ「え？」

そしてお前も正直に言うんかい！！

マサイに1番知られちゃまずい内容のこと話してただろ！？

モトキ「シルク無表情のAちゃんちょっと怖かったんだって」

マサイ「マジ？」

シルク「近付きがたかったの意味での怖かっただよ！」

マサイ「あぁ…何となく分かる。でもそこが好きだったなぁ」

シルク「今は惚気いらん！！」

マサイ「何でそんなプリプリしてんだよシルク。何かあった？」

さっきまでシリアスな雰囲気だったからだよ！

マサイには詳しいこと言えねぇのがもどかしい！！

モトキ「情緒不安定なんでしょ」

シルク「誰のせいだと思ってんだよ」

モトキ「俺だね」

マサイ「？モトキのせいなの？」

モトキ「ちょっとね～」

ある意味モトキのこと尊敬するわ。

俺が動揺してんのがバカらしくなってきた。

マサイ「まあミルクティーでも飲んで落ち着けよ」

シルク「……おー」

コンビニの袋からミルクティーを取って差し出してきたから素直に受け取る。

一口飲めばいつもの味。

マサイ「あ、Aが今日夜ご飯ハヤシライスにするって言ってたけど、お前らも食ってくか聞いてきてって」

モトキ「食べるー」

シルク「俺も」

マサイ「他は？」

シルク「ぺけとダーマ来れるって」

マサイ「じゃそう伝えとくわ」

……いいよな、料理上手の美人なお嫁さんで。

俺はそういう意味でマサイが羨ましい。

あーあ、LINEするだけで嬉しそうな顔しちゃってさ。

本当お前Aにべた惚れだよな。

モトキ「……ねぇマサイ」

マサイ「ん？」

モトキ「Aちゃんと結婚して幸せ？」

マサイ「へ」

見る見るうちに顔を赤くするマサイ。

そんな照れることか？

マサイ「まあ……幸せ、だけど」

モトキ「そっか。末永くお幸せに」

マサイ「？うん…え、いきなり何？」

モトキ「気にしないで」

あぁ、モトキ、お前本当凄いやつだよ。