106-愛刀との邂逅 3 ページ6
「……初めて好きな女にプレゼントしたのが自分で買った物じゃないってのが嫌なんだ」
『……シャンクスも一般人みたいな感覚持ってたんだね』
「そこかよ！？」
『…シャンクスのその気持ちは嬉しいけど、今本当に欲しい物ないんだよ。
だから無理して何か買わなくても…』
「じゃあ俺がAに持っててもらいたいやつ買うか」
『聞けよ』
シャンクスが人の言うことを聞かないのは今に始まったことではない。
なので諦めてシャンクスについていくことにした。
『…私に持っていてもらいたい物って何？』
「んん…考えてなかったが……そうだな…………指輪とか」
『うわ、ガチのやつじゃん…』
「うわ、ってお前な…」
割と笑えない答えに頬が引き攣る。
本当に真面目にAのことが好きなんだと改めて思い知らされた。
何で自分なんだと聞きたいが聞いたところでAが理解できる答えは返ってこないだろうなと思い聞くのはやめた。
…
「なァどれが好みだ？」
『……ガチで指輪買うつもり？』
「Aに肌身離さず持っててほしいからな」
『……』
「無言で引くのやめろよ〜」
シャンクスはAを連れて街の宝飾品を扱ってる店に来た。
店員の男は四皇であるシャンクスのことを知っているのだろう。
顔は青白く、気絶寸前だ。
彼のためにも早く決めて出て行った方がいいと思った。
『……シンプルな指輪の方がいい』
「宝石は？」
『ゴテゴテしたやつじゃなければあってもなくてもどっちでも』
「じゃあ色は？」
『特には』
「なら色は金色がいいな」
『何で？』
「お前の瞳と同じ色だから」
シャンクスは右手を伸ばしてAの頬に触れた。
あまりに優しい触り方に心臓が一度大きく跳ねる。
それを悟られないようにシャンクスの手を振り払う。
(実は恋とかしたことないんだよなァ…)
だから“好き”というのがイマイチ分からない。
他人に好意を持たれているとかは何となく感じることができるが、自分が誰かにそういう感情を抱いたことはない。
楽しそうに指輪を選ぶシャンクスの横顔を眺める。
とても海賊らしくない、緩い顔だ。
(……もし、私が革命軍じゃなくてただの一般人だったら…私はこいつのこと本気で好きになってたかもしれないな)
.
シャンクスが静かで一緒に過ごす穏やかな時間が割と好きなことは気付かないフリをした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1258人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ライキ - 初めまして！すごく面白かったです！更新楽しみにしてます! (2022年8月17日 7時) (
レス) @page38 id: c3cdfe919e (このIDを非表示/違反報告)
水無月弥生(プロフ) - コメント失礼しますm(*_ _)mとても楽しめました！続きを楽しみに待ってます！このご時世なのでお身体にお気おつけください！ (2022年2月12日 16時) (レス) id: 9fe8b56f99 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても面白かったです！もし続編があるのなら、続きを楽しみに待っています！(*´ω｀*) (2022年1月4日 14時) (レス) @page38 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - シンアさん» 夢主は異名が白龍なので、は(→8月)く(→9日)りゅう、って感じで単純だけどいいや！と決めましたw 推しと誕生日同じだと嬉しいですよね！これからも更新頑張ります！！ (2021年10月22日 21時) (レス) id: 6f454b9d63 (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - ゆみさん» 作者はサンジもローも推しなのでできる限りどっちも出しますd(^_^o) (2021年10月22日 21時) (レス) id: 6f454b9d63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀧 | 作成日時：2021年10月6日 0時
