59-勝負あり ページ9
「……私が知る限り、A程味方に甘く、敵に容赦ない人は見たことないわ。
トラ男君、特にAの実の弟のあなたが望めばAは何でもすると思う」
それこそ、殺人だろうと一国を地図上から消滅させることも。
「安心しろ、俺は姉様にそんなことは望まねェ」
大好きな姉にそんなことはしてほしくない。
Aに手を汚すことに抵抗がなかろうと、それ以前にローが全力で止める。
「そうそう！それにキャプテンはAさんが隣で笑ってればそれでいいみたいだからそんな心配はしなくていいと思うぜ？」
「……確かにそうだが、お前が言うなペンギン」
「いだだだだだだっ！！」
ローがペンギンのこめかみをアイアンクローする。
傍観組も傍観組で騒いでいるとすぐ近くにゾロが吹っ飛んできた。
「クソ…！」
「うわびっくりしたァ！」
「攻撃が通用しねェ…っ！！」
ゾロの視線の先には隙なく刀を構えているA。
今までのゾロの攻撃は全て相殺か受け流されるかのどちらかだった。
だがAの攻撃は通る。
「一刀流居合…！“死・獅子歌歌”！！」
『…最後まで戦意を失うことなく戦いきった君に敬意を送ろう』
ゾロの必殺技を武装色の覇気を纏った古龍蒼天で受け止めた。
あっさりと相殺し、今度はAが技を放とうとする。
これで決着がつくことはゾロ本人も、傍観組にも分かった。
『“
あまりにも重く鋭い斬撃を受け止めきれず、ゾロの手から刀が放り出された。
カランカラン、と飛ばされた刀が地面に落ちた音で傍観組は我に返る。
「……参った、俺の負けだ」
ゾロは降参の言葉を口にした途端、バタンと仰向けに倒れる。
怪我をしていないかと急いで駆け寄って確認。
『怪我は……してないね』
「ふん、どっかの誰かさんが全力だったら怪我してたかもな」
『……7割は出してたよ』
「10割じゃなきゃ何割でも同じだ」
ほんの少しだけ力を制御していたのがバレていたらしい。
ほら、と手を差し出すと案外素直にAの手を取り起き上がったゾロ。
「Aさーん！」
『わっ、イッカク』
「カッコよかった！！」
『ん、ありがと』
抱き着いてきたイッカクを受け止め、ハートの海賊団の方へ歩く。
彼らに次々と称賛の言葉を投げかけられたのだった。
手合わせという名の勝負はAに軍配が上がって幕を閉じた。
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エースファン - 最初から拝見してます！とても面白いです。更新頑張ってくださいね、応援してます (2021年10月3日 21時) (
レス) id: e23982275e (このIDを非表示/違反報告)
KOMA(プロフ) - 素敵な話です！応援してます！ (2021年10月3日 16時) (レス) @page39 id: 2f9b06972b (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - ローぷうちやんがハート海賊団のつなぎきてみたいだつてなかまになりたいじやないかな (2021年9月28日 18時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - ぷうちやんありがとううれしいよつなぎきたいならろーにたのんでみたら (2021年9月28日 18時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - わたしはただローのあねさまとしてして大好きなおとうとローまもりたいだけ (2021年9月17日 17時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀧 | 作成日時：2021年9月9日 23時
