77-新しい約束 ページ27
『────ってことがあったんだ』
「……あー…Aさん、今の話キャプテンにしない方がいいぜ」
『何で？』
「キャプテン確実に妬いちゃうから」
『ローが？サボに？』
「あァ、あの人Aさんのこと独り占めしたいから…」
『ふーん』
「いやふーんって！あんたもうちょい自分がどれだけキャプテンに大事にされてるか自覚してくださいって！」
「そうだそうだ！」
「とりあえず今の話はキャプテンにしないこと！
返事は！？」
『分かった分かった』
3人に力強く言われとりあえず返事はした。
その軽い返事にペンギンは本当でしょうね、と疑いの目を向ける。
Aがローに何か問われたら正直に嘘偽りなく話すことを知っている。
もし好物のことを聞かれ、何故ラーメンが好きなのか聞かれたら今と同じ話をするだろう。
ローがAに好物の話を振りませんように、と祈りながらペンギンは席を立つ。
「んじゃ俺らはもう一眠りするか」
「だな。Aさんは？」
『起きてるよ、おやすみ2人共』
ペンギンとシャチを見送り、コックに向き直った。
『ちょっとだけキッチン借りていい？』
「いいけど、何か作るのか？」
『うん、ローにね』
「…パンはやめとけよ？」
『はは、大丈夫、作るのは昔からローの好きな物だから』
それから少しの間だけ、Aは朝食を作るコックの隣で時折会話をしながら作業をしていた。
ある物を作り終わり、再びローの部屋へ。
音を立てないようにドアを開けるとローはAが部屋を出た時から変わらない体勢で寝ていた。
『……』
ベッドに座り、ローの頭を撫でる。
眉間に皺の寄っていない、とても穏やかな寝顔。
フレバンスで家族と過ごしていたあの幸せな日々を思い出す。
あの頃も、寝ている弟と妹の顔を見るのが大好きだった。
愛おしい弟と妹を守りたかった。
だからあの日、Aはローが確実に生き延びるために囮になったのだ。
死ぬことすら厭わなかった。
それで弟を守れるのなら。
(自分の命を優先に、ね…)
昨日、ローとそういう約束をした。
その約束は守らなければならない。
何故ならローは16年もの間、ずっと約束を守ってきた。
いつか会えたらAの宝物を返すという約束を。
その約束を忘れてはいなかったが、Aの宝物はとっくに捨てられていると思っていた。
だってローにとって姉はもうこの世にいない者のはずだったから。
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エースファン - 最初から拝見してます！とても面白いです。更新頑張ってくださいね、応援してます (2021年10月3日 21時) (
レス) id: e23982275e (このIDを非表示/違反報告)
KOMA(プロフ) - 素敵な話です！応援してます！ (2021年10月3日 16時) (レス) @page39 id: 2f9b06972b (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - ローぷうちやんがハート海賊団のつなぎきてみたいだつてなかまになりたいじやないかな (2021年9月28日 18時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - ぷうちやんありがとううれしいよつなぎきたいならろーにたのんでみたら (2021年9月28日 18時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - わたしはただローのあねさまとしてして大好きなおとうとローまもりたいだけ (2021年9月17日 17時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀧 | 作成日時：2021年9月9日 23時
