66-相思相愛故の嫉妬 ページ16
ニヤニヤと意地悪く笑うロー。
いつも余裕があって自分より数枚上手な姉が焦ってしどろもどろで顔を真っ赤に染めているのが見ていて楽しいようだ。
自分がサボに嫉妬したように、姉も今回の場合はロビンに対して嫉妬するんだと分かって嬉しい。
この世で何よりも大事な家族が誰かに取られてしまうかもしれないという不安からくる嫉妬をするのは自分だけじゃない。
ローはそれが嬉しくて堪らないのだ。
『ロー！姉様怒るよ！？』
「くく、もう怒ってるだろ。
にしても姉様可愛いな」
『かわ…っ！？
姉様を揶揄うのもいい加減にしなさい！』
「別に揶揄ってねェよ、本心だ」
『余計ダメよ！！』
ぷいっ、とそっぽを向いて本格的に拗ねてしまった。
そんな姉の行動を見てまた可愛いと言ったら船を降りるとでも言ってしまいそうなので言うのはやめた。
(この人のこんな感情的になってるの見るの初めてだ)
いつも優しくて穏やかに笑っていた姉を、いつも家族を最優先にして自分のことは後回しにする姉を思い出した。
それも姉の本当の姿だが、今の姉もまた本当の姿なのだろう。
16年離れている間に姉は随分と自分の本心を表に出すようになったのかもしれない。
未だに知らない姉のことはこれからゆっくり知っていけばいいかと思う。
「なァ姉様、悪かったよ、機嫌直してくれ」
『……内心まだ笑ってる』
「見聞色の覇気使うのは狡いぞ」
『ふんっ』
どうやらローが思ってる以上に本気で拗ねているようだ。
「……姉様が誰かに嫉妬するなんて思ってなかったんだ」
『……』
「嫉妬するのはいつも俺で、俺の知らない姉様の顔を家族じゃねェ別の誰かが知ってるってのは昔から嫌だった」
『……』
「けど姉様も実は似たようなもんなんだって嬉しかったんだよ」
『……もう、そんなこと言われちゃ許すしかないじゃない』
姉様がそういうこと言われるの弱いこと知ってるローの方こそ狡い。
Aはそう零す。
やはりAは最愛の弟には激甘だった。
「昔から変わらねェな」
『何が』
「俺に弱いところ」
『……ローも変わらないわね、ちょっと可愛げがないところ』
「でもそんな俺を愛してるんだろ？」
『愛してるよ、あの頃から変わらず、ね』
「！！何するんだ姉様！」
ローの帽子を取り、Aと同じ黒髪をわしゃわしゃと撫で回す。
ボサボサになった弟を見て悪戯が成功した子供のように姉は無邪気に笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 666人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エースファン - 最初から拝見してます！とても面白いです。更新頑張ってくださいね、応援してます (2021年10月3日 21時) (
レス) id: e23982275e (このIDを非表示/違反報告)
KOMA(プロフ) - 素敵な話です！応援してます！ (2021年10月3日 16時) (レス) @page39 id: 2f9b06972b (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - ローぷうちやんがハート海賊団のつなぎきてみたいだつてなかまになりたいじやないかな (2021年9月28日 18時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - ぷうちやんありがとううれしいよつなぎきたいならろーにたのんでみたら (2021年9月28日 18時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ - わたしはただローのあねさまとしてして大好きなおとうとローまもりたいだけ (2021年9月17日 17時) (レス) id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀧 | 作成日時：2021年9月9日 23時
