死 ページ1
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二月三日、夜八時。
住宅街を我が家へ向かって一人歩く。
一刻も早くウチに帰りたいのに、昨日の大寒波によって降り積もった大量の雪に足を取られてしまうのが、酷くもどかしい。
でも、その雪だとか、一級数体と戦って負った傷だとか疲労だとか、未だ舌に残る…呪霊を取り込んだ際のえもいえぬ後味の悪さだとかにいつもは多少なりとも苛立ちが隠せなくなるものだが───今はその一切がどうでも良い事のように感じた。
理由は簡単。我が家で私の帰りを手薬煉を引いて今か今かと待ち構えている愛おしい妻…Aのことを頭に浮かべていれば、自ずとそういう類の感情は和らいで忽ち消えていくものだからだ。
しかし、そんな私の心の安らぎは一時的なものにしか過ぎなかったらしい。
私が家の前に着くや否や一番最初に目に飛び込んできたのは、何者かによって意図的に壊されたと思われる雪だるまだった。
それは今朝、Aが一生懸命作っていた可愛らしい雪だるま。雪玉をコロコロ転がして、二つ重ねて、木の枝を集め、冷蔵庫から取り出した人参を仕上げにつけて作った雪だるま。二人分作り終わると、『これね、私と傑〜！』とキラキラした笑顔で自慢してきた、私と妻の分で対になった雪だるま。
それが原型が想像できないほどにボロボロに壊されていた。溶けてしまったとか、たまたまぶつかられて壊れてしまったとか、そういうんじゃなく。明らかに悪意を持って壊されたそれ。
私の可愛い可愛い妻が…Aが、一生懸命作ったものをこんな風にするなんて。
許せない、いや絶対に許してはならない。
私は先ほどの和やかな気持ちから一転、わなわなと怒りで震えると同時に、ある可能性に気づく。
もしかしたらAはこの惨い状況を私より先に見つけているのではないか…？
そうとなれば私の帰りを笑顔で待つどころか…一人心を痛めて泣いているのではないか？
私はいてもたってもいられなくなり、乱暴に家のドアを開けて中へと駆け込んだ。
…ああ、やっぱり。
いつもなら私が家のドアを開けると、その音を聞きつけてリビングから走って、飼い主の帰りを待っていた犬みたいに可愛らしい笑顔で「おかえりなさい！」と出迎えてくれるのだ。
しかし今日はそれがない。つまり彼女は相当落ち込んでいるということ。
私は一刻も早くAを慰めないとといつも彼女がいるリビングのドアを開けた。
「……は？」
しかし───そこにいたのは、
血濡れて床に倒れている妻だった。
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ような - Happy birthday!!! (2022年2月3日 23時) (
レス) id: 663ab8d7b2 (このIDを非表示/違反報告)
aaa - 夏油様ハピバ!!ホントにこういう世界が現実だったらいいのに... (; ;) (2022年2月3日 19時) (レス) @page3 id: 94f6373e66 (このIDを非表示/違反報告)
るきー流季ー - こ、こんなにも短編で終わり方が素敵な物語ってこれ以外にありませんよ！？あと誕生日おめでとうございます、夏油様〜！！どうか、どうか、呪術廻戦最後では羂索から解放されてハッピーエンドを迎えてほしいっす・・・ (2022年2月3日 15時) (レス) @page6 id: d8f15dd322 (このIDを非表示/違反報告)
みたらし（元三日月） - 最高すぎます！ (2022年2月3日 13時) (レス) @page5 id: 122f030fb9 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - うわ〜〜！最高でした！！お誕生日おめでとう傑☺️💕 (2022年2月3日 13時) (レス) id: c9636ac8db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかかのおにぎり
| 作成日時：2022年2月3日 0時
