術式反転。 ページ26
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ふぅ、と一呼吸おいて集中する。
単純に力を増強してしまっては本当に爆豪を殺しかねない。この前の手の敵はすぐ近くに脳無の様な硬い盾があったから死ぬことは無かった。だが、爆豪は今はコスチュームも何もつけていないただの生身の人間だ。流石に状況が違いすぎる。
…そうだ、アレを使おう。
と、身体より思考を動かすことに意識を傾けている私に、ここぞとばかりに爆豪が突っ込んできた。が、私は一切その場から動かず、指で印を組んだ。
「“術式反転”──“零”・“付与”」
私の術式は基本的に呪力を流し込んでありとあらゆるものを倍に倍に増やしていく術式だが、反転術式で生じた真逆の性質を持つ呪力を用いることで術式の効果を反対にする───すなわち、ありとあらゆるものを倍に倍に減らしていくことができる。
十分の一倍、百分の一倍、千分の一倍、と呪術を極めるほどにそれは着実に“零”へと近づいていく。
そして精密な呪力操作と気が遠くなる程の鍛錬により極められた術式反転は、“零“倍をも操ることが出来るようになる。
あの五条悟ですら高専二年でやっと使えるようになった反転術式及びそれに準ずる術式反転。私はあのイカれた家の拷問とも言える訓練の中で、それらを僅か七歳の頃に習得した。
だがその完全体と言える“零”を扱えるようになったのは、極限の死闘───私の人生最期の戦いの中だった。
一度その呪力操作の感覚を知ることができれば、そこかあとはその感覚通りにやるだけ。例え世をまたいで何十年経ってもその感覚はずっと忘れないものだ。
私は爆豪にしっかり呪いがかかったのを見届けた後、目の前に迫っていた爆豪の攻撃をさっと躱す。
しかしそれで終わるはずのない爆豪は連撃三連撃と続けて仕掛けて来た。…いや、仕掛けて
「…は？」
「残念だね、爆豪。アンタはもうこれ以上個性を使えない。だってもうアンタは汗をかけないからね。」
しかし、その攻撃は不発に終わった。単純に爆破の原動力である汗が足りなかったのだ。
私は爆豪に術式を付与して彼の掌からかく汗の量を“零”にした。それにより爆豪の個性を封じたのだ。
「私に一瞬で蹴り倒されるか、粘って熱中症で倒れるか、好きな方を選んでいいよ。」
「ハッ、ちょっと形勢逆転したからって調子乗ってんじゃねぇぞクソアマァ！！！」
圧倒的不利で個性に頼らずとも敵に立ち向かう爆豪のその姿に思わず笑みがこぼれた。
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瑞樹(プロフ) - はい、先日はわたくしの作品にコメント有難うございました。とても励みになっております。さて、あなた様の作品。圧倒的に面白いと感じました。表現が素晴らしく、とても読み応えがありました。更新頑張って下さい。応援しています。 (2022年11月9日 17時) (
レス) id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
愛ってなんや？ - てぇてぇよ。悠二くんたちいるんですね！！！よかった泣面白いです、更新待機してます！、 (2022年10月23日 8時) (レス) @page32 id: 027cc676f2 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍保存食品(プロフ) - 胸熱展開やばい！！！！応援してます！！！！！！ (2022年10月20日 23時) (レス) @page31 id: 5ac8dc0a14 (このIDを非表示/違反報告)
ウパー(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！ずっと続きを待っていたので更新とても嬉しいです！陰ながら応援しています！ (2022年10月17日 15時) (レス) @page30 id: 63329ae988 (このIDを非表示/違反報告)
4CE - 続きを…！待っています…！！ (2022年9月10日 1時) (レス) @page28 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかかのおにぎり
| 作成日時：2022年1月29日 19時
