手遅れ。 ページ24
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AAはめちゃくちゃ強ぇ。初めてAと戦闘訓練で直接対峙した時、初めて俺は同い年のヤツに「勝てねぇ」と心から思った。
そしてA本人は“自分が勝つ”ということを、ただただ“当たり前”の事としか捉えていないのだと思った。Aは自分の強さに絶対的な自信と誇りがあるのだと思った。
確かにAには体術など目を見張る点は多い。だが俺はAのその圧倒的な強さはやはり、汎用性が高いシンプルな“強個性”によるものだとどこかでは勝手に思っていた。
…そう思っちまったのも仕方ねぇことだろ？だって、“個性”が強ければNo.1になれる、そんな単純な考えで親父は俺を作ったのだから。要するに個性───所謂生まれ持った才が全てなのだと、小さい頃から俺は刷り込まれていたのだ。
でもそれは違うのだと、Aをちゃんと見れば気づいた。
二回戦、Aは常闇との試合も早々に決着を着け、準決勝へ駒を進めた。Aの試合が終わるなり嫌というくらい見覚えのある影…親父が、Aの出てくる退場ゲートの方へと足を向けていたので、嫌な予感がして俺もそっちへと向かった。嫌な予感は的中し、親父はAに嫌味ったらしく話しかけていた。俺が止めに入ろうとした時、Aのやけにヒンヤリとした声にその足は止まった。
俺は気になってそのままAの話を聞いていた。それらの話は、いつものような淡々とした声ではなく、軽蔑と憎悪、それからどこか悲痛さと切実さが入り混じった声で語られた。俺は静かに驚いた。
その言い方だとまるで───Aも俺と同じような過去を持っているみたいじゃないか。
俺はそんな嘘みたいな仮説の真偽があまりに気になって、陰からこっそりAの表情を伺った。やさりその表情には軽蔑やら怒りやらの色が濃い。だが一方で、いつもの澄ました凛とした表情から想像できないくらい、その瞳は揺らいでいて、眉も弱々しく垂れ下がっていた。
その表情から俺の仮説が概ね正しい事が分かった。親近感に近い様な感情が湧いて、俺はAらの会話が終わるや否や自ずとAに話しかけていた。
「…お前も自分の力とそれを押し付けた親が嫌いなのか？」
「…ああ、嫌いだよ。でも轟は好きになれる余地があるなら好きになった方がいい。…まだアンタは手遅れじゃない。」
少し距離が近づいたと思った。が、Aの言う“手遅れ”の意味が全く分からないが故に結局Aとの距離は遠いままだった。
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瑞樹(プロフ) - はい、先日はわたくしの作品にコメント有難うございました。とても励みになっております。さて、あなた様の作品。圧倒的に面白いと感じました。表現が素晴らしく、とても読み応えがありました。更新頑張って下さい。応援しています。 (2022年11月9日 17時) (
レス) id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
愛ってなんや？ - てぇてぇよ。悠二くんたちいるんですね！！！よかった泣面白いです、更新待機してます！、 (2022年10月23日 8時) (レス) @page32 id: 027cc676f2 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍保存食品(プロフ) - 胸熱展開やばい！！！！応援してます！！！！！！ (2022年10月20日 23時) (レス) @page31 id: 5ac8dc0a14 (このIDを非表示/違反報告)
ウパー(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！ずっと続きを待っていたので更新とても嬉しいです！陰ながら応援しています！ (2022年10月17日 15時) (レス) @page30 id: 63329ae988 (このIDを非表示/違反報告)
4CE - 続きを…！待っています…！！ (2022年9月10日 1時) (レス) @page28 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかかのおにぎり
| 作成日時：2022年1月29日 19時
