もう一度会う為に。 ページ2
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実はあの日、私が取り戻したのは前世の記憶やそこで渦巻いていたドス黒い感情だけではなかった。
そう、私は再び得てしまったのだ。
前世で使っていた忌々しき力──“呪力”と“術式”──を。
私は記憶を思い出すと同時に、何か自分の中に懐かしい力がたちこめていく気がした。まさか、そう思って近くに転がっていた母親の死体に掌をかざした。
すると、みるみるうちに傷口が癒えていった。…まぁ傷口が癒えるのみであって死者を生き返らすことは元より無理なことなのだが。
にしても、一体どうなっている？
周りを見渡しても三・四級呪霊は愚か蠅頭すら見当たらない。…というか私以外の存在から呪力が微塵も感じられない。
そう、天与呪縛を除けば非術師であっても呪力は多少なりとも生まれ持つものなのだ。…そしてその無自覚な呪力がコントロール出来ないから呪霊が生まれる。…はずなのだが。
呪力も呪霊も一切ない、しかし例外的に私は呪力と術式を持っている、この状況は一体何なのか。
あれから親戚に引き取られ気づけば中学三年生となった私が、十年分この世界を改めて見てきた結論。
それは──この世界に“呪力”という概念はハナから存在していない。が、私は“前世”を持ち、その前世で呪いと深く関わってきた。故にそれが今世にまで影響し例外的に“呪力”及び“術式”を手に入れてしまった、というものだった。
これという確かな証拠や確信がある訳では無いが、そう考えるのが一番しっくりくる。
そしてそんな事実を前に思うことは一つ。
もしかしたら───私の最愛の…夏油様にもう一度会えるのではないか？
私がこの世界に前世の記憶と呪いを持って生まれ落ちたのなら、夏油様だって…この世界で生きていても何らおかしくない。
ならばその一縷の望みにかける他ない。
だって夏油様は、私の全てなのだから。
でも何処にいるかも全く検討がついてない上に、そもそも存在に確証すらない者を闇雲に探しても埒が明かない。
そこでやや受動的な考えではあるが、夏油様にまた見つけてもらえば良いと私は考えた。…そう、前世のように。
その為に私は、夏油様が私を見つけてくれるように、私の名前が世界中に轟くほど有名になってやる。
有名になるのに最も手っ取り早い方法は…あまり乗り気はしないが───ヒーローになることだろう。
だから私は計画の第一段階として、かのオールマイトをも排出した名門中の名門、雄英高校を目指すことにした。
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瑞樹(プロフ) - はい、先日はわたくしの作品にコメント有難うございました。とても励みになっております。さて、あなた様の作品。圧倒的に面白いと感じました。表現が素晴らしく、とても読み応えがありました。更新頑張って下さい。応援しています。 (2022年11月9日 17時) (
レス) id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
愛ってなんや？ - てぇてぇよ。悠二くんたちいるんですね！！！よかった泣面白いです、更新待機してます！、 (2022年10月23日 8時) (レス) @page32 id: 027cc676f2 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍保存食品(プロフ) - 胸熱展開やばい！！！！応援してます！！！！！！ (2022年10月20日 23時) (レス) @page31 id: 5ac8dc0a14 (このIDを非表示/違反報告)
ウパー(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！ずっと続きを待っていたので更新とても嬉しいです！陰ながら応援しています！ (2022年10月17日 15時) (レス) @page30 id: 63329ae988 (このIDを非表示/違反報告)
4CE - 続きを…！待っています…！！ (2022年9月10日 1時) (レス) @page28 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかかのおにぎり
| 作成日時：2022年1月29日 19時
