【伏黒甚爾】術師殺しに5億で買われました。

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あの後、天内さんや甚爾さんの処理を済ますなど色々とゴタついていた為、甚爾さんと再び会うことになったのは一週間後だった。


『……で、私の最初の仕事は競馬ですか。』

「あ？当たり前だろ。お前のせいで3億貰い損ねたんだからな。まずは金だ。」

『…はいはい。』


私は未成年なのでまだ馬券は買えない。なので術式を使って未来を視て当たり馬の番号を甚爾さんに伝えて甚爾さんが馬券を買う。

何時間かそれを繰り返してとりあえず云万は稼げた。そんな中私を目眩と頭痛が襲う。…これだから人混みで術式を使うのは苦手なんだ。

私の術式は基本的にはオートで呪力操作が行われるため、普通は知ろうとした情報のみ頭に入ってくる。だけどこうして人混みに溢れ、負の感情が充満する場所では呪力操作が揺れて必要以上の情報も取り入れてしまう。

その負荷に脳が悲鳴をあげることにより目眩や酷い頭痛などが引き起こる、という具合だ。

……特にここ競馬場なんか賭けに負けた人間の負の感情が充満する為に、いつも以上に目眩や頭痛も酷く気分が悪くなる。


「……あーこうしてチマチマ金稼ぐの飽きてきたわ。馬走るの見ても楽しくねぇしな。よし、ここ出んぞ。」


…………え。もしかして…そんな私の様子を見てそう言ってくれたの、かな。


「…しんどいんなら言え。…“その面で”無理して我慢されてる方がこっちも気分が悪ぃ。」


“その面で”…ああ、そうか。そりゃ愛した人にそっくりな顔が苦しそうな表情してたら気分悪いよね。

…はぁ、私ったら買われた分際だというのに、なんて言う傲慢で自意識過剰な勘違いをしてたんでしょうか。

私はブンブンと煩悩を振り払うように首を振り、既に席から立ち遠いところまでスタスタと歩いて行っている甚爾さんの背中を追いかけた。



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『……………結局宝くじするんですね。』

「あ？当たり前だろ。今回のロ○7はキャリーオーバーもしてて最高10億貰えんだよ。しかもラッキーな事に当選発表日は明日だ。分かったら早く番号視て教えろや。」

『…10億！？○ト7ってそんな凄いんですね…！』


私はロト○の凄さに感動しつつ当選番号を視て甚爾さんに教える。そしてそれを甚爾さんは書く。

＿＿＿＿後日、10億(税金で一部差し引かれている)の文字が甚爾さんの預金通帳に刻まれているのを見て、術式を使ってズルをしたことへの物凄い罪悪感に襲われたのは言うまでもない。



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