検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:222,903 hit

ページ36

わけわかんない古文を先生がだらだら読み上げる中、浮かんでくるのは圭人のことばかり。


どんな女の子なんだろう。
やっぱ告白されたんだろーな…
優しい圭人は断れなかったんじゃないか。

そうなったら彼女持ち?
俺今度から誰と学校行って誰とメシ食えばいいの?


もういっそのことリサとでも付き合っちゃうか?
…いやー無理だな、少しもどきっとしない。


そんなことをぐるぐる考えてる間に放課後になって、憂さ晴らしのカラオケに繰り出した。




.



「んじゃな雄也、また明日なー」

「おー、じゃね」


つっかれた。
早く帰ってママのご飯食べたい。

いつもより遅い電車は混みあってて、むわっとした変な熱気で暑苦しかった。


…え、圭人?

何メートルか離れたところに見つけた横顔は紛れもなく圭人で。
そうか、今日部活の日だから遅いのか。
話しかけようにも遠くて、降りてから話しかければいっかなんて思ってた。


ふと、圭人と目が合った。


ふるふると震えて、不安げな目が俺とあった途端、その目からはぼろぼろ涙がこぼれて。


"たすけて"


間違いなく、そう口が動いた。



考えるまでもなく体が動いて、周りの人を無理やりかき分けて近づいていくと、圭人の背後からぴったりくっつく若い男。


「────っ何してんだテメェ!!!」


そこからはもうよく覚えてない。


そいつの胸ぐらを掴んで、次の駅に着いた瞬間引きずり下ろした俺は


「雄也、だめ!!」


思いっきりそいつのことを殴り飛ばしてた。


「俺、大丈夫だから…!そんなことしたら、雄也停学になっちゃう…!」


そんなに泣いて、震えて、何が大丈夫だよ。


「お前っこいつに何したかわかってんのか!?」

「ひ、なにも、」


喧嘩かと思って駆けつけた駅員さんにことの顛末を説明して、圭人の話も聞かなきゃいけないからって駅員室に通されて。


話したくもないことを話さなければいけない圭人の手をずっと握っていた。


結局その男は痴漢していたことを認めて、これ以上大事にしたくないからって言う圭人の一言で示談になって。

圭人のパパもママも忙しいから連絡つかなくて、俺が責任持って送るってことで帰ることになった。


電車で帰るしかねーな、ってとりあえず駅員室を出たところで


「雄也、圭人!こんなとこでなにしてんの?」

「え、朱李ちゃんじゃん」


ひとつ上の幼なじみ、朱李ちゃんに声をかけられた。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (282 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
460人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Shee.(プロフ) - とまとさん» ありがとう!上手いこと行けばあります!← (2018年11月1日 17時) (レス) id: 8e67ef454c (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 完結おめでとー☆彡スピンオフあるの?!って喜んでます!☆連打できないのが悲しい(´;ω;`)楽しみにしてます♪ (2018年11月1日 16時) (レス) id: 561587332a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Shee. | 作成日時:2018年10月24日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。