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はじめて(tk×kt) ページ34

tk視点


「ママー?行ってくるよ?」

「弁当持ったー?」

「持った持った。行ってきます」


玄関まで見送ってくれたママのおでこにキスを一つ。


「やめろって雄也っ」


高校生になった今、ママの身長よりも少し大きくなった俺はおでこにキス出来るのに、


「くっそ、ちゃん!消毒!」

「いてて、もう雄也相手に張り合うのやめてってば」


小柄なパパはママの肩をぐいっと押して下げて、俺がキスした所に被せてキスをした。


「ほーんとバカップルだよね」

「へっへん、羨ましいか!」


ドヤァ、と書かれた顔で得意気に笑って、通勤ついでに俺を駅まで乗せてくれる。


俺のママはスラッと背が高くて美人で、未だにメンズモデルと間違えられることがある。
パパはママより10cmくらい背が低いけど、身長のわりには足が長いし、童顔の男前だ。


そんなふたりの間に産まれた俺はありがたいことに、それなりにモテて困っちゃうくらいの見た目に成長していた。


「雄也はさぁ、彼女とかいねーの?」

「いないよそんなの。つかママ以上に綺麗な女なんてこの世にいねーし、まず女に興味ない」

「またそれかよ。まぁなぁ…ちゃんは美人だから…
残念でした〜俺の嫁だけどなっ!」


毎朝の車の中で頻繁に繰り広げられるボーイズトークはもはや恒例だ。


パパに言ったことは嘘じゃない。
自他ともに認めるマザコンの俺にとって、
男であるママよりも綺麗じゃないって女としてどうなの?って思うのは当然であって。

幼少期から気がついてた、俺は女は愛せないってこと。


「まぁ彼女って言ってもな…俺、ちゃん以外に男好きになったことなんかねぇし」

「えっそうなの!?」

「あれ、言ってなかった?
元々、付き合ったのも遊んだのも女の子ばっかだよ。
今の世の中バイもゲイも多いんだしさ、雄也も恋人ってやつ作ればいんじゃね?」


俺の息子なんだからモテんだろ、って当然のように言い放った。


「やだよ、めんどくせぇ」


恋人、ってめんどくさいじゃん。
誰とも付き合ったことないくせに、カラダの関係だけはあるような俺が言うのもなんだけど。


「そう?楽しーけどなぁ恋って」


デキ婚したけど、パパに捨てられてでも俺を産もうと思った、っていつかのママの誕生日、酔っ払ったママが言ってたっけ。


"俺ねぇ、大ちゃんと結婚して、雄也を産んで、ほんとに幸せなんだぁ"って笑うママが可愛くて、あの晩は空気を読んで早めに部屋に戻ったことを思い出す。

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Shee.(プロフ) - とまとさん» ありがとう!上手いこと行けばあります!← (2018年11月1日 17時) (レス) id: 8e67ef454c (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 完結おめでとー☆彡スピンオフあるの?!って喜んでます!☆連打できないのが悲しい(´;ω;`)楽しみにしてます♪ (2018年11月1日 16時) (レス) id: 561587332a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Shee. | 作成日時:2018年10月24日 23時

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