ミモザの花束を君へ(緑) 2 (ページ43)

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階段の途中で、ふと足を止める

この行動の先に、何があるんだろう

好きだって言われたら？

好きじゃないって言われたら？

どっちにしろ私は先生から離れなくちゃならないわけで

踏み出しかけた足をまた、戻す

それでも先生の本当の気持ちが知りたいから

1歩、2歩と階段を上る

今日は私の誕生日なんだから

今日ぐらい、ヒロインは譲って欲しい

ガラッと乾いた音を立てながら扉を開ける

『あ‥‥』

蘭「‥‥‥」

大倉先生はいなくて

蘭「‥‥何してるの」

『蘭こそ』

私たちの間に冷たい空気が流れ始めた時

大「おまたせ‥‥って

‥‥えー、と」

私の後ろで目を丸くして大倉先生がやってきた

大「河村さんやん」

蘭の方をチラチラ見ながらわかりやすく素っ気ない態度をとってくる

蘭もそれには困惑してるみたいだけど悪い気はしていないようで少しニヤつく

『お花‥っ、ありがとうございました‥！』

私は大倉先生の気持ちが知りたいだけだから

だから、答えて欲しい

『あの花‥どういう意味ですか‥‥』

好きだと一言

それさえ言ってくれればもう何もいらないのに

蘭「ねぇ、何の話してるの」

大「あ‥、いや、

‥‥俺は、そんな花に覚えないねんけど」

嘘をつくなら、もっとマシな嘘をつけばいい

目を泳がせて、心ここに在らずで言うなら

もっとはっきり嫌いだと言えばいいのに

蘭「Aの勘違いじゃないの」

『蘭には関係ないでしょ』

初めて蘭と言い合いになる

でもこんな言い合いは不毛だということは分かっているから

『花束、きれいでした』

大「誰のか分からんけどよかったやん‥‥

‥‥黄色、似合うと思うし」

涙が出そうで教室を飛び出す

堪えて、堪えて、階段をかけ下りると

壁にもたれる亮と階段に座っている章大がいて

安「ほら、来て正解やろ

‥‥めっちゃ泣きそうやん」

亮「ほんっましょーもないやつやで」

2人の顔を見るとなんだか安心して堪えていたはずの涙が止まらない

安「よお頑張ったな」

『‥‥っ、しょ、うた‥っ、りょ‥ぉっ』

亮「分かったやろ、あいつの気持ち」

分かるよ

だって、本人じゃないと分からないはずだよ

私への花が黄色だったなんて