ミモザの花束を君へ(緑) 2 (ページ22)

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63束大倉side ページ22

『先生は、悪い大人ですね……っ』

走り去る後ろ姿をただ見つめるだけしかできなくて

追いかけたくても動けない

自分に腹が立つ

その原因をつくった自分の軽率な行動と

蘭「せんせ。ありがとね」

蘭だけは、たぶん、許すことができないのだと思う

大「満足？これで

‥今俺と付き合っても好きじゃないことぐらい分かってるんやろ？」

蘭「うん、そうだよ？」

大「虚しくならへんの

‥親友に、嘘ついて。裏切って」

目付きが変わる

鋭くて、女の嫌なところが全部出たみたいな

蘭「Aだってそうじゃん‥

‥‥私と別れたあとに付き合い始めたんだよ？

安田くんも巻き込んで」

大「安田は関係ないやろ‥

‥‥俺、お前と仲良くする気ないからな」

蘭「そしたら、バラすだけだよ？

Aだけじゃなくて、私のことも」

人を、好きになるということは

こんなにも狂わせてしまうんやろうか

好きな女1人守られへんくて

写真だけにおびえてる俺が言うことではないけど

‥‥あぁ目の前にいるこいつも俺が狂わせてもうたんやな

蘭「ねぇ、キスして」

なら、俺も

大「うっさい‥‥だまって目閉じろ‥」

蘭「ん‥‥っ」

狂ってしまえば

うん

狂ってしまおう