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Side Yuri
僕の切実な疑問に、慧ちゃんは「んなの、見てりゃわかるだろー」と呆れたように返した。
「日曜夜の宏太はウッキウキだし、月曜の雄也はフッラフラ。さて、何故でしょう？」
可愛らしく首を傾げ人差し指を立てた慧ちゃんに「人の店で下ネタクイズ大会すんなよ！」と大貴が顔をしかめた。差し出されたのは煮魚定食のような、およそ洋食店で見かけない品で。
「やまだー！理想どうりだわ、これこれ！」
「ありがとうございます。」
嬉しそうに厨房へと声をかけた慧ちゃんに、涼介がニコリと笑みを返す。どうやらこの特注の定食を作ったのは彼らしい。同じ経営学部に進学した涼介は、夏休みから「キッチンアリオカ」でアルバイトをするようになっていた。
「やまだ、超うまいよ！あれだな、この分だと『キッチンヤマダ』になる日も近いな！」
「なるかよ！それよりオムライス食えよ！
うちは洋食屋だっつーの。」
慧ちゃんの毒舌にテンポ良く返しながら、大貴は手際よく片付けを進めている。閉店後のこの店に、慧ちゃんはよく押しかけているらしい。
毎回、メニューにはない和食を食べたがるのだと涼介が可笑しそうに教えてくれた。
「…で、お子ちゃま侑李くんの答えは？」
むぐむぐと満足そうにご飯を頬張りながら、慧ちゃんが僕をつつく。ニヤニヤと人の悪い笑みを浮かべていて、こういう時の慧ちゃんに絡むと、大抵ろくな展開にならない。
雄也が日本にいる時、定休日前日の夜は宏太が必ず迎えに行く事くらい、僕だって知ってる。
その後、多分朝まで二人で過ごしている事も。
海外挙式のヘアメイクとはいえ、式は週末がほとんどで、日柄を気にするカップルもいる。
定期的に向こうで仕事が入るようになって来たのはまだ最近で、開店当初の雄也は「noche」にいる事の方が多かった。
だから、日曜夜の「ウッキウキ」な宏太の姿は何度も見てる。幸か不幸か、「フッラフラ」の雄也の様子は僕はまだ知らなかった。
「…侑李も雄也とイイコトしたいよなー」
「な、何？急に…」
「そろそろLESSON２がいるかな…」
ふいに真面目な思案顔になる。こういう時の慧ちゃんも要注意だった。何か別の話題はないかと慌てていると、不穏な気配を消し去るような明るい声が入口で響く。
「おやじー！砂肝あるー？」
「あるかよ！うちは洋食屋なんだよ！」
「さらにめんどくさい奴が来た…」と大げさなため息で大貴が迎えたのは裕翔だった。
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みもたま(プロフ) - コメントありがとうございます！お店の開店に超豪華なお花を届けて頂いたような恐れ多い心境です。閉店にならないように頑張らねばー！（限られた品しかない、マニアックな店ですが…） (2019年11月8日 23時) (
レス) id: f91d6da0d1 (このIDを非表示/違反報告)
Purple Swallowtail(プロフ) - 移行おめでとうございます！高校時代も含め今のみんながどんな風になっているか楽しみにしてます！大ちゃんも登場(^ ^) (2019年11月8日 18時) (レス) id: 73ae1288ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みもたま | 作成日時：2019年11月8日 18時
