◆ ページ10
(リヴァイside)
黒い信煙弾が上がってからさらに数十分。
エルヴィンから、撤退命令が出た。
…撤退命令、だと？こんな早くに？
あり得ねぇ、…何があった。まさか、あの奇行種と関係があるのか？
身体の中を、嫌な感覚が這っていく。じわじわと柄にもなく不安が押し寄せて、居ても立ってもいられなくなる。
ひとり舌打ちをついたとき、隣の班から伝達員が来て、馬を寄せてくる。
『右翼前方、奇行種と共に押し寄せてきた大量の通常種により、ほぼ壊滅状態！陣形が崩れ被害も大きいため、今回はもう撤退するとの事です。隣の班に回して、馬を引き返し壁に向かってください！』
＿＿右翼前方が壊滅？
身体の中を這っていた嫌な予感が、破裂したように弾けて、体内を満たしていく。
大量の通常種？何だそれは。全く状況が読めない。
…いや、今は壁の中に戻ることが最優先だ。
リヴァイ「…エルド、隣の班に伝達しろ。他の奴らは壁に向かう！俺について来い！」
無事だ、絶対に。
Aは、絶対に無事だ。
張り裂けそうな心臓を抑えるように言い聞かせながら、馬を走らせた。
・
(Aside)
「はぁ、はぁ…」
後ようやく2体だ。10mと7mのこの巨人たちを倒せば、ようやく終わる。
結局、ただでさえ少ない班員は奇行種によりさらに少なくされてしまった。残っているのはハンジさんと私、そして今伝達に行ってるモブリットのみ。
身体が重い。息が出来なくて肺が痛い。
…でも、やるしかない。
「私は10m級をやります！ハンジさんは7m級の方を、任せましたよ！」
疲れて動きが鈍いのが、自分ですら分かる。
それでも、私は戦わなくては。
リヴァイさんの顔を見られないまま、彼に最期も見届けられず消えるなんて御免だ。
「…っはぁぁ！」
うなじにアンカーを刺し、空高く舞って、一気にうなじを削ぎ落とす。
地面に着地すると、ハンジさんも丁度討伐し終えたところだった。
ハンジ「A、見ろ！」
息を切らしたハンジさんが、指を指す。
「…撤退命令」
ハンジ「モブリットの伝達が届いたんだ！私達は右翼後方と合流してそのまま壁を目指そう！」
馬に股がったハンジさんは、私を振り返り言う。
ハンジ「A、助かったよ。Aがいなかったら今頃私も、巨人の胃の中だった」
「…そんなことないですよ。結局、こんなにも犠牲を出してしまったことに代わりはないですから」
もう動かないくらいに疲れてる身体に鞭を打ち、私も馬に股がった。
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みみみみみ(プロフ) - 結菜さん» ありがとうございます😭めちゃめちゃ嬉しいです！実は丁度最強組にハマって呪術のお話し書きたいな〜と思っていたので作成しました！そちらも読んでくださると嬉しいです！ (2023年1月14日 19時) (
レス) id: 8759106b01 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - めちゃくちゃおもしろくて、とても幸せで、私好みのお話でした。次は、五条先生のお話をかいてくれたら嬉しいです！ (2023年1月14日 11時) (レス) @page37 id: 19761245cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみみみみ | 作成日時：2022年9月20日 22時
