26 帰り道 ページ26
…
「行きはあんなに騒がしかったのに、随分と静かだな」
「しゃけ」
真希と狗巻に挟まれて、すぅすぅ寝息を立てているA。
帰りも起きている間は「楽しかった」とか「花火すごい！」とか、「来年も来ようね」なんてずっと繰り返していてガキかと呆れたものだが。
なんて真希が可愛らしい寝顔を見ながら思う。
「まぁ、楽しんでくれたんなら何よりだわな」
「しゃけしゃけ」
行きは電車に乗るまで不安ですって顔に書いてあったけれど、初めて乗る電車に目を輝かせてからは呪符もそっちのけで浮かれていた。
「ん、本人が寝ると呪力も弱くなるのか」
「高菜」
正確には、彼女よりも呪力に関して実力がある者はそこまでの反発を受けないのだろうと狗巻は考えていた。
勿論本人が眠ると呪力が引く例もあるようだから、Aもそうなのだろう。
棘はそう言いたかったが、人の術式を無闇に広めるのはなんだか気が引けた。
きっと彼女もそのうち気づくだろう。
がたん、ごとんと電車が揺れる度に首や体がフラフラしているのを見て、狗巻は少し迷ったあとにそっと彼女の肩をこちら側に寄せた。
そのまま放置したら窓やら角やらに頭をぶつけそうだ、なんて思って。
Aは安定したからか、ほんの僅かにふにゃりと口角を上げて、またすうすう寝入ってしまった。
「ありがとうな棘」
それは今の動作に対するものか、今日のイベントを提案したことなのか。
「ツナマヨ」
普段五条がいないと見れない無防備な姿を見せてくれたことに、真希も狗巻も内心喜んでいた。
本人のはしゃぎ具合を見て、多少のハプニングもあったけれど結果的に喜んでくれたなら万々歳だ、なんて思う。
「……来年も、な」
「しゃけ」
願わくはこの幸せが、ずっと続きますように──だなんて。
術師らしくないことを、この子を前にすると平気で祈ろうとしてしまうのも、なんだか心地よかった。
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みみず2(プロフ) - なおこちらのコメントは後日削除させていただきますので、必要であればお控えくださいますようお願いしますm(_ _)m (2022年4月26日 6時) (
レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 途中でも読みたいので教えてください❗ (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 大丈夫です。 (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みみず2(プロフ) - みさにゃんさん» コメントありがとうございます。2作目の方が作品途中で更新停止してしまっていますがよろしいでしょうか？ (2022年4月25日 2時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます❗ パスワードを教えていただきたいです。 (2022年4月24日 18時) (レス) @page48 id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみず2 | 作成日時：2021年2月23日 21時
