25 花火 ページ25
…
ヒュー……という細い音が鳴る。
これだけだと、龍みたいだななんて思いながら空を見上げていると、しばらくしてからパッと突然燃える花が開いた。遅れてドォンという低い音が響く。
「うわぁ……」
綺麗。心臓にまで響く低い音はちょっと心地悪く感じるけど、でも目に映る空いっぱいの花たちは、とても綺麗だ。
はじめは1つずつゆっくりと魅せつけるように咲いていた花火たちは、次第に星やハートみたいな、花じゃない形のものが連発するようになる。
「綺麗ね……」
ぽろりと零れたそれに、真希ちゃんが「ああ」と答える。花火って、本物はこんなに綺麗なものだったんだなぁなんて嬉しくなる。来年も、またここに来たいな。
ふと視線を感じて横を見ると、ぱちりと狗巻くんと目が合った。
なぁに?と聞いてみるけど、きっと相手方には聞こえてない。彼はゆっくり微笑んで「きれいだよ」と口を動かしたけど、マスクをつけてるのも相まって、なんて言ったのかは分からなかった。
❁❁❁
「楽しかったぁ」
こんなに早く終わっちゃって残念だなぁなんて思っていると、「来年も来るんだからいいだろ」と真希ちゃんが当たり前のように言った。
「え、一緒に来てくれるの?」
「それ以外に何があるんだよ」
むしろそれ以外の選択肢はハナからないようなその口ぶりに、上手く言葉にできない感情がせり上がる。
「……んふふ、そうだね、絶対来ようね」
食べ終わったりんご飴の棒を見つめながら、2人に話しかける。ちょっと恥ずかしいけど、言質をとるためにもう1回言うと「勿論」「しゃけ」なんて返ってきた。
「ふふ、幸せだなぁ」
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みみず2(プロフ) - なおこちらのコメントは後日削除させていただきますので、必要であればお控えくださいますようお願いしますm(_ _)m (2022年4月26日 6時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 途中でも読みたいので教えてください❗ (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 大丈夫です。 (2022年4月26日 0時) (レス) id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
みみず2(プロフ) - みさにゃんさん» コメントありがとうございます。2作目の方が作品途中で更新停止してしまっていますがよろしいでしょうか? (2022年4月25日 2時) (レス) id: c96996a763 (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃん(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます❗ パスワードを教えていただきたいです。 (2022年4月24日 18時) (レス) @page48 id: 261ab17a8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みみず2 | 作成日時:2021年2月23日 21時