幼馴染み 高嗣ツアー編 ８ ページ36
高嗣side
去年のツアーの準備を始める頃、マネージャーから話があった。
前年までミツとしていたライブの構成を、今回からは千賀とする事になったと。
そろそろ俺に任せたいと言う話だったけど、本当のところは、ミツに個人の仕事が複数入っていて、忙しいからだと思う。
有難い事にメンバー各々に、個人の仕事が入る様になった。
ミツはバラエティー、ガヤと玉は演技、横尾さんには料理、宮田にはアニメ、千賀にはダンスと、各々が自分が活躍出来る場所を見付けている。
俺自身も、自分の方向性を模索しているけど、今の俺が楽しいと思える事の一つが、ライブの構成だ。
今年はそれを任せて貰えると聞いて、正直胸が高鳴った。
だけどそれと同時に、不安な気持ちにもなった。
だって今までは、ミツと二人で考えて来たから。
俺が思い付くまま言葉にする事を、形にしていたのはミツだった。
宏光「ニカ、心配すんな。お前なら大丈夫だ。
それでも何か有ったら、何時でも俺に言え。」
ミツはそう言ってくれたけど、本当の所は精神的にも肉体的にも、かなり無理をしていたらしい。
その証拠にミツは、ツアー中も原因不明の湿疹が出ていたが俺達には、
宏光「大したことは無いから心配すんな。
薬を貰ったし、直ぐに良くなるから。
それよりお前達は、今日のライブの確認だとか色々忙しいだろ。」
そう言って、俺達弟組には弱味を見せたくないのか、ミツは平気な振りを続けていた。
ミツの言葉に不安を抱きつつも、Aからの連絡に喜びを隠せなかった。
A「高嗣、今日のライブ最高だったよ。
特に藤北の絡み・・・最高だったよ。」
興奮気味のAの声に、俺の中で"不安"が"安堵"に変わっていった。
だから調子に乗って、
「そんなに喜んで貰えたなら良かったけど、ガヤとミツには、Aは会わせられないな。」
そうAに言ってしまった。
本当に冗談のつもりだったんだ。
だけどAが"絶対会いたい"なんていうから、俺も意地になってしまったんだ。
結局その事で喧嘩になったけど、偶然通り掛かった宮田に聞かれて、
俊哉「ニカも彼女さんも、可愛いよね。」
そう言って笑わた。
宮田の言葉で冷静になると、さっきまでの自分の態度に笑ってしまった。
"俺達って、ガキの頃と変わって無いじゃん。
少しは俺が大人になるか。"
なんて思って、Aに連絡を入れた。
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作者名：紅廉 | 作成日時：2018年11月20日 20時
