私の幼馴染みその後３ (ページ27)

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幼馴染み裕太ツアー編１３ページ27

裕太side

夕方になって、仕事の合間にLINEを送った。

休憩中に何度か送ったけど、全然既読にならないし、電話を掛けても出ない。

心配になって、仕事終わりに杏里に電話してみたけれど、

杏里「お昼過ぎには別れたよ。特に変わった様子も無かったし。
疲れて寝てるんじゃない。心配しすぎ。」

そう言って笑われた。

杏里との電話を切って、もう一度電話をしてみると、明らかに寝ていたと分かるAの声が聞こえた。

初めはAが電話に出てくれた事にホッとしたけれど、俺がこんなに心配しているのに、呑気な声のAに、段々腹が立ってきた。

勿論、仕事で疲れている事も分かっている。

だけど、本当に心配だったんだ。

一生懸命なAの話を聞いて、少し冷静になった俺は、迎えに行く事を告げて電話を切った。

Aを乗せて車を走らせていると、黙ったままの俺を気にしているAと、ミラー越しに目が合った。

暫く沈黙が続く中、Aが急に"ごめんなさい。"と謝ってきた。

Aは、謝る必要なんて無いのに。

俺が勝手に、自分に腹を立てているだけなのに。

Aに謝らせてしまった罪悪感から、自分の正直な気持ちを打ち明けた。

こんなカッコ悪い俺を見せても、嬉しそうに受け入れてくれるA。

"やっぱり、A以上の彼女なんていない。"

改めてそう思った。

自宅に着いてシャワーを浴びて、Aの用意してくれた夜食を一緒食べた。

器用とは言えないA。

だから一生懸命練習してくれた事が、料理を見れば分かる。

こんな所も可愛くて仕方無い。

お腹も一杯になってソファーに横になっていると、身体に怠さもあってか、いつの間にか眠ってしまっていた。

Aに起こされ体を起こすと、傍に居たAの手首を引き寄せ抱き締めた。

Aの手が俺の頬に触れ、キスしようとしたら、急に額に手を当てられた。

訳が分からない俺が、

「・・・A、どうした？」

そう問い掛けると、急に立ち上がったAは、暫くすると体温計を手に俺の前に立った。

A「裕くん、熱が有るんじゃない？」

手渡された体温計で計ってみると、表示されたのは"８.３℃"と結構な熱だった。

その後のAの行動は素早くて、水分を取らせて氷枕を用意すると、俺を休ませ、無くなっていた薬を買いに行ってくれた。