幼馴染み 裕太ツアー編 12 ページ26
裕太side
Aとの電話を切って、自販機に飲み物を買いに行こうとしたら、同じ様に飲み物を買いに来た宮田に会った。
俊哉「どうしたの、タマさん。
何処か調子が悪いの?」
突然予想しなかった宮田の言葉に、驚いて固まる俺。
メンバーやスタッフさんに心配を掛けたくなくて、そんな素振りは見せない様にしていたのに。
「何でそんな事、聞くんだよ。」
そう真顔で答える俺に、
俊哉「最近のタマさん、何か元気無いからさ。
・・・まぁ、俺の勘違いなら良いんだけどね。」
何時もの様に、少し困った様な笑顔で言われた。
俺の微妙な変化にも、気が付いてくれる宮田。
きっと誤魔化しても、全てお見通しなんだろうな。
「最近、身体が怠くてさ。
多分、風邪だと思うんだけど・・・。」
俊哉「大丈夫なの?」
俺の答えに、心配そうに聞いてくる。
「大丈夫だよ。
明後日から休みだから、ゆっくり休むよ。」
そう答えると、"絶対そうしなよ。"と念押しされた。
「俺の事は良いから、自分の事も気を付けろよ。」
照れ臭くて、そう言って宮田に肩パンしてやった。
仕事を終えて自宅に帰って来てから、体温計を手に取った。計ってみると、
「ヤバイ、微熱じゃん。」
ソファーから立ち上がると、体温計を直ぐに引き出しに戻してシャワーを浴びる。
その後は何もする気にならなくて、風邪薬とミネラルウォーターを飲むと、ベッドに横になった。
「こんな時Aが居てくれると、安心できるんだけどな。」
眼を閉じてAの事を考えていたら、疲れも有っていつの間にか眠ってしまった。
朝起きると、昨日直ぐに寝たのが良かったのか、熱は下がっていた。
「熱は無いけど、喉が痛いな・・・。」
未だ体調に不安は残るけど、仕事を休む訳にはいかないから、引き出しから薬を出した。
「・・・此が最後か。
流石に毎回マネに頼むのは、申し訳ないしな。
休憩中にでも買いに行くか。」
"何時もなら、Aに頼めるのに・・・。"
小さい頃"俺が守らなければ"と思っていた存在のAが、いつの間にか"頼りになる"存在になっていた。
一緒にいる時間の中で、Aの存在がどんどん大きくなっているんだと、改めて気付いた。
「ヤバイ、もうこんな時間だ。」
ふと目にした時計で時間を確認した俺は、慌てて準備をして自宅を後にした。
幼馴染み 裕太ツアー編 13→←幼馴染み 裕太ツアー編 11
109人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紅廉 | 作成日時:2018年11月20日 20時