幼馴染み 裕太ツアー編 １０ ページ24
Aside
突然の事でバランスを崩した私は、裕くんの方に倒れ込んだ。
「あぁ、ビックリした。
急にどうしたの、裕くん痛く無かった？。」
裕太「・・・。」
「大丈夫？どこか痛い？」
裕くんの様子に慌てる私。
裕太「・・・急にAが居なくなるから。」
「・・・えっ？」
何の事だが分からない私は、困ってしまった。
裕太「"ごめんね、さようなら。"って言って、Aが出ていったから・・・。」
「・・・もしかして・・・夢を見たの？」
私の問い掛けに、裕くんは頷いた。
裕太「我慢ばかりさせてるから、Aが俺の事が嫌になったのかと思った・・・。」
不安そうな裕くんの表情に、胸が締め付けられた。だから、
「私が裕くんを嫌になる？
そんな事、絶対無いよ。」
裕くんの目を見て、はっきりと言い切った。
裕太「良かった！」
そう言うと、裕くんは私を抱き締めた。
裕太「目が覚めた時、Aが俺の傍から離れて行きそうだったから、思わず手首を掴んでた。」
裕くんの腕に力が入っていく。
裕くんが私の事を想ってくれている事が、素直に嬉しい。
「裕くんが嫌だと言っても、私は傍から離れないからね。
・・・覚悟しておいてね。」
裕くんの腕の中で、そう伝えた。
裕くんの右手が、私の髪を優しく撫でる。
裕太「任せておいて。」
大好きな人の声が耳を擽る。
裕太「ねぇA、このまま一緒に寝よう。」
優しい声が降り注ぐ。
「ダメだよ。明日までに体調整えておかないと、ライブに障るよ。」
少し距離を取って、裕くんを見つめる。
裕太「大丈夫。
Aが居ない方が治らないよ。
それに・・・傍から離れないんでしょ？」
悪戯っ子みたいに私を見つめる裕くんの目に、結局のところ、私は何時だって負けてしまう。
「もう・・・仕方無いんだから。」
そう言って、裕くんが捲ってくれた布団の中に、私は身体を滑り込ませた。
裕太「抱き心地、最高。」
布団の入ると裕くんに、抱き枕の様に抱き締められた。
そして暫くすると、裕くんの寝息が聞こえ始めた。
この調子だと、明後日のライブが大丈夫はず。
何時も自然体な裕くん。
ファンの皆が待ってるから、早く元気になってね。
今度のライブは裕くんには内緒だけど、私も楽しみにしてるから。だから今は、
"ゆっくり休んでね。"
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作者名：紅廉 | 作成日時：2018年11月20日 20時
