私の幼馴染みその後３ (ページ23)

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幼馴染み裕太ツアー編９ページ23

Aside

私を見つめる裕くんに、

「ゆっくり休んでね。」

そう声を掛けた。

そして洗濯物を手にして、寝室を出ようとしたその時、

裕太「A。」

名前を呼ばれて、裕くんに呼び止められた。

私が振り返ると、

裕太「本当にごめんな。
せっかく会えたのに・・・看病させて。」

申し訳無さそうにしている裕くんが可哀想で、私は裕くんが寝ている枕元に膝を着いて、顔を覗き込んだ。

「裕くんはそう言って謝ってくれるけど・・・ごめんね。裕くんには悪いけど、私はちょっと嬉しい。」

裕太「えっ・・・嬉しい？」

裕くんは私の言葉に、不思議そうな顔をした。

「だって裕くんの傍に居られて、裕くんの為にしてあげる事が有るんだもん。」

私は裕くんの顔を見つめて、そう答えた。

裕太「・・・A。」

「裕くんは何も気にしなくて良いから、ゆっくり休んで早く良くなってよね。」

私は裕くんの鼻先を人差し指でちょんと触れると、立ち上がり寝室を後にした。

その足で洗濯機に洗濯物を放り込むと、洗剤を入れて予約ボタンを押した。

そしてリビングでカフェオレを淹れると、一人ソファーに座りテレビを着けた。

チャンネルを変えていると、前に見たかった映画をやっていた。

暫く一人で観ていたけれど、裕くんの様子が気になり、立ち上がり寝室を覗きに行った。

ゆっくりとドアを開けると、スヤスヤと寝息が聞こえてきた。

私はゆっくりベッドに近くと、裕くん額に手を当てた。

「良かった。熱が下がってる。
汗をかいたのが、良かったみたい。」

此れなら明日ゆっくり休めば、明後日のライブには問題無さそうだ。

ほっとした私は裕くんに背を向けて、立ち上がり静かに寝室を出て行こうとしていた。

そしてゆっくり立ち上がろうとしたその瞬間、手首を掴まれて立ち上がれなくなってしまった。

「裕くん？」

そう呼び掛けると、眠っていた筈の裕くんがゆっくりと目を開けた。

裕太「何処に行くの？」

私は裕くんの方に向き直して、

「ごめんなさい、起こしちゃった？」

そう声を掛けた。すると、

裕太「何処に行こうとしてたんだよ。」

心配にそうな顔で、もう一度聞いてきた。

「何処って・・・。
眠ってる邪魔にならない様、私はリビングで寝ようと思って・・・」

私の話の途中で、突然裕くんが掴んでいた手首を自分の方に引き寄せた。