私の幼馴染みその後３ (ページ21)

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幼馴染み裕太ツアー編７ページ21

Aside

食事を終えると、裕くんはソファーに横になってゲームを始めた。

食事中に、"後片付けを終えたら二人で前から観たいと言っていた映画を見よう"と話していた。

私が後片付けを終えて、飲み物を用意してキッチンからソファーに向かうと、いつの間にか裕くんは眠ってしまっていた。

「裕くん、裕くん。」

せっかく寝ている裕くんを起こすのは気が引けたけど、ツアー中に体調を崩したら大変だから、優しく声を掛けた。

とても疲れているようで、起きそうもない裕くんに綿毛布を掛けて、私は雑誌を読み始めた。

夕方転た寝をしたせいか、私は眠れそうにない。

裕太「A？」

不意に名前を呼ばれ振り向くと、寝ぼけ眼の裕くんがソファーに座っていた。

「裕くん、目が覚めた？
風邪引くといけないから、ベッドで寝てね。」

座っている裕くんに近付いくと、手首を掴まれて引き寄せられた。

裕太「ごめんね。
・・・約束してたのに観れなくて。」

腕を引かれた勢いで、膝の上に乗ってしまった私の顔を裕くんが覗き込んだ。

「仕方無いよ。
今はツアー中だし、他の仕事だって入ってるし・・・。」

そう言って、裕くんの頬に触れた。すると、

"えっ、裕くんの頬っぺ暖かい？
・・・そう言えばさっき私の手首を掴んだ裕くんの手、熱かった気がする。"

慌てて頬を触ってた手を、裕くんの額に当てた。

裕太「・・・A、どうした？」

不思議そうに私を見る裕くんの目、何だか潤んでる。

私は立ち上がると体温計を取りに行き、裕くんに手渡した。

「裕くん、熱が有るんじゃない？」

そう声を掛けてキッチンに向かうと、私はコップにポカリを注ぎ、裕くんの前に座った。

裕太「今朝から身体が怠かったけど、この位なら大丈夫だと思ってた。」

裕くんが計り終えた体温計とコップを交換して、熱を確認すると、

「えっ、８.３℃・・・。」

思っていた以上に高い熱に、慌てて裕くんを立ち上がらせると、ベッドまで連れて行った。

裕くんが横になった事を確認して、解熱剤を探しにリビングに向かった。

「確か此処に・・・。」

何時もの場所を探したけれど、薬は見当たらない。

取り敢えず冷そうと氷枕を裕くんの所に持って行き、裕くんの頭の下に差し込んだ。

裕太「・・・有り難う、A。」

冷たくて気持ちが良いのか、暫くすると裕くんの寝息が聞こえ始めた。