私の幼馴染みその後３ (ページ17)

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幼馴染み裕太ツアー編３ページ17

Aside

電話の向こうの裕くんが、大きく息を吐いた。

"私、裕くんに呆れられたのかな？"

そう思い、不安になる私。

だから、なかなか次の言葉が出て来なかった。

すると裕くんは、小さく溜め息をついた。

裕太「俺も、Aと同じだよ。
俺はAと会うためなら、どんな事だってするよ。
そしてそれを"無理してる"とは、絶対思わないから。」

優しい声で、そう言ってくれた。

「裕くん・・・。」

裕くんの優しさが嬉しくて、泣きそうになった。

そんな私の様子を察知したように、

裕太「とにかく家で待っててよ。
確か撮影が終わったら、Aは２、３日休みだって言ってたよね。
俺も明後日は急遽オフになったから、二人でゆっくり過ごそうよ。
・・・ごめん。そろそろ戻んないといけないから、切るわ。」

そう言うと、電話は切れてしまった。

裕くんと会える。

裕くんも明後日はオフだから、久し振りに二人でゆっくり出来る。

此処のところ裕くんと私は、スレ違いばかりだった。

私は突然貰えたご褒美に、

「ヤッター。」

と、無意識に飛び上がって喜んでいた。

嬉しさのあまり大声で叫んだ私に、

杏里「なに、急に大きな声出して。
ビックリするじゃない。」

私の声に驚いたお姉ちゃんが、バスルームから顔を覗かせた。

お姉ちゃんと目が合った私は気恥ずかしくて、

「ごめんなさい。」

そう言って、お姉ちゃんの顔を見ずに頭を下げた。

お姉ちゃんはブツブツと文句を良いながら、バスルームに消えていった。

もうじきシャワーを済ませ、上がってくるお姉ちゃんと顔を合わせるのが何だか気まずくて、私はサッと着替えを済ませると、財布と携帯を握り締め、部屋を出ようとした。

それからコンビニに行くために、お姉ちゃんに声を掛けた。

「お姉ちゃん、アイスが食べたくなったから、私ちょっとコンビニに行ってくるね。
お姉ちゃんは何か要る？」

そうバスルームに向かって声を掛けると、

杏里「私もアイスが欲しいな。
A、いつものチョコお願いね。」

再びバスルームから顔を覗かせながら、そう答えるお姉ちゃん。

私はそのお姉ちゃんの言葉を、背中で聞きながら、

「分かった、何時ものチョコだね。
じゃあ私、行ってくるね。」

私はそう答えると、ホテルの部屋を後にした。