組織初集結 ページ8
「「のわぁ……」」
驚きの声が、隣の樂薇と被った。
今、あたしたちの目の前には、大きな倉庫――倉庫?……家?がある。
ここは、街の中央の時計台からさほど遠くない場所にある、『【組織】の皆の集会所』(蒼空さん曰く)だ。
にしても大きい。大きすぎる。
実は組織の誰かの家なんだろうか。だとしたらすごい。
「ねえ、【水廻サイキッカーズ】のメンバーって、あの公園にいなかった人もいるのかな」
「いるんじゃない?瀬川さんから、メンバーは六人って聞いてるし。あの場にいたのはあたしら含めて五人だったから」
「……じゃああとひとりが、ここに?」
「そういうことね」
話しながら、実は内心緊張していた。
いくらうちにくる患者さんの応対で人慣れしているとはいっても、やはり初対面の人がいるというと色々と考えてしまうのだ。
「……じゃっ、じゃあ鳴らすよ」
微かに震える手でインターホンを押す。
するとすぐに、"入ってくれ"と返ってきた。
でも、入れといわれてもドアノブとかないし、どこを押したら開くというのか。
この扉はそんな構造をしているのだ「がッ」
試行錯誤していると急に扉が開いたのでびっくりしてしまった。しかも上にだ。上に開いた。一体どこの組織のアジトだよ。……いや実際【組織】の集会所だったわ。
内心で一人ツッコミを入れながら、恐る恐る中に入る。と。
「……おぉ、おおぉ……」
外見に劣らず、中身もすごかった。
何処かの秘密基地かと言いたくなるちょっと近未来的な内装の中に、色々な種類の電子機器と資料がたくさん散乱している。
そしてさらに目で追っていくと、その一角に、広がったいくつかのポテチの袋とペットボトル、橙色の派手なパソコン、ゴーグルを着けたいかにもな人がいた。
「……ん?よぉ、お前らが新規加入者の」
喋りかけてきたぞゴーグルの人。
「こっここここんにちは」
びっくりして思わず吃る。
「あっはは!そんなお堅くなんなって〜」
――あれ、案外いい人そうだ。
少し安心しているとゴーグルの人に「まぁ座んなされや」と促されたので、そこにあった回転椅子に座る。
それでぐるーっと、百八十度回ってみる。隣を見ると、樂薇も一拍遅れて逆回転していた。
「「おーぉ見覚えある人がたくさん」」
後ろ向いて見えた光景を口にしたらハモった。
そこには、数日前に公園で顔を合わせた三人がいたのである。
その中にいた蒼空さんが、口を開く。
「……さて、自己紹介でもしましょうか」
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←突然のメール
2人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鴉莉朱(プロフ) - 編集画面の各お話タイトルのところのスパナのマークを開くとルビという機能があって、テキストという所に漢字、ルビという所にひらがな(読み)を入れると出るかと思います! (2017年4月13日 21時) (レス) id: ade0bf0099 (このIDを非表示/違反報告)
Акычо (あきほ)(プロフ) - あと、質問なのですが、漢字の上の小さなひらがな、どうやって出して居るんですか? (2017年4月13日 20時) (レス) id: 84ab421957 (このIDを非表示/違反報告)
Акычо (あきほ)(プロフ) - はい!頑張ってください! (2017年4月13日 20時) (レス) id: 84ab421957 (このIDを非表示/違反報告)
鴉莉朱(プロフ) - Акычо (あきほ)さん» ご意見ありがとうございます。これから少しずつそういったところも修正して伸ばしていけるように頑張ってみます。 (2017年4月13日 5時) (レス) id: ade0bf0099 (このIDを非表示/違反報告)
Акычо (あきほ)(プロフ) - 情景がよくわかりません。回りの風景の説明などを、皆が想像できる程度に説明したら、もっともっと面白い作品になるとではないかと思いました。これからも、頑張ってください。 (2017年4月12日 22時) (レス) id: 9a5e5744b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鴉莉朱 | 作成日時:2017年4月6日 20時