【名探偵コナン】原作を見守ることに命かけてますから！２

バカな女だ：sideジン ページ13

sideジン


FBIからのスパイを、まんまと組織に招き入れた女、宮野明美を処分することが決まった。


バカな女だ。

FBIに騙され、利用され、挙げ句に切り捨てられた。

そして愚かにも、再び同じ結末を辿ろうとしている。

任務を完遂すれば妹と組織を抜けさせてやる、だったか？

まさか本当に信じるとはな。

あの女は組織にとってどうでもいいどころか厄介者でしかないが、妹の方は違う。

あの頭脳は組織に必要だ。

手放す訳がないだろう？


そもそも、犯罪と無縁の生活をしていた女が、10億円強盗なんて出来るわけがない。

それを馬鹿正直に準備する姿はなんとも滑稽だ。

まぁ、万が一にも成功させたなら、その時はあの女から奪うものに、10億円が追加されるだけだがな。


それに、利用していただけだとしても、宮野明美はライの、いや、赤井秀一の恋人。

あの男のすました面が歪むのを、見れねぇのが残念だ。


そういえば、もう一人、あの女を気にかけていたやつがいたな。

チッ、あの腹が立つ笑みを思い出しちまった。

だが、やつには監視をつけてある。

一度、宮野明美と接触したようだが、特に変化はなかった。

まあ、女を助けるような情があるとは思えないがな。

実際、会ったのもその一度きりのようだ。

もし、やつがあの女を助けようと動けばすぐにわかる。

その時は、俺が直接、粛清しに行ってやる。ﾆﾔﾘ




宮野明美が10億円の強盗に成功した。

こんなふざけた任務を"一人で"完遂するとは思わなかったが、やることは変わらねえ。

逃走に使った車に、あの女が愛用している口紅をつけた覆面を残しておく。

さらに、その口紅を犯行現場に捨てた。

これで、警察は強盗犯を広田雅美だと思い込むだろう。


あとは、目の前のこの女の口を封じるだけだ。

ジン「言っただろ？最後のチャンスだと」

ﾊﾟﾝｯﾊﾟﾝｯﾊﾟﾝｯ

女が銃弾を受けて倒れる。

流れ出す血がコンクリートを赤く染めた。

ジン「ウォッカ」

ウォ「へい！アニキ！」

ウォッカに鍵を探すように命じる。

取引を信じていたこの女が、コインロッカーの鍵を持っていないなんてことはあり得ない。

ウォ「ありましたぜ！」

案の定、女のスカートのポケットの中にそれはあった。

ジン「ならもう用はねえ。

ずらかるぞ」

ウォ「へい！」




こんな人気のねぇ場所に、女を看取る者はいない。

本当に、最後の最後まで、バカな女だ。

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