61th floor ページ12
side.大毅
あの、お別れの日の、こと。
大毅「ともくん、」
智洋「…なんで大毅、上着、着てるん？」
大毅「新しいお家に行くことになったんやって、」
智洋「…へ？…もう、帰ってこーへんの、」
大毅「今日行ったら、そこでずーっと暮らすんだって…だから、」
智洋「…そんなん、
そんなん俺、聞いてへんねんけど…！
なんで今日言うねん？！なんでっ、
…泣きたいの、俺の方やねんけど…！」
ともくんの顔を見てたら涙が止まらなくなって、
でも、
涙を拭ったらもう、ともくんはいなくて。
そのまま、迎えの車が来て。
車の中から外の景色を覗き込んだら、
ともくんが見えて。
…雨の中、泣きながら僕を見てた。
笑顔でお別れが出来なかった。
そんな、雨の日の、記憶。
…そうや。電話。この前教えてもらった、連絡先。
はじめっから電話、掛けてみたらよかったのに。
でも、1回、2回…掛けても出てくれなくて、
…たまたまかもしれないけど。
…それやったら。
自然と足はその方向に向かっていた。
…僕らが育った、施設。
遠い昔のことやのに、場所までちゃんと覚えてるんやもん。
距離は遠くないのに、行こうと思なかったのは。
…思い出すのが、恐かったから、かな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 293人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷぺぱ(プロフ) - りんま☆さん» 見てくださって、ありがとうございます！！！ (2021年2月2日 17時) (
レス) id: 533a84e8e0 (このIDを非表示/違反報告)
りんま☆(プロフ) - 凄く面白かったです！完結おめでとうございますっ！！ (2021年2月2日 6時) (レス) id: 8ff52300a8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぺぱ(プロフ) - ロクさん» ロクさんの文章が凄く好きなんですー！こちらこそ応援してます！ (2021年2月1日 23時) (レス) id: 533a84e8e0 (このIDを非表示/違反報告)
ロク(プロフ) - ぷぺぱさん» 本当ですか...！？すごく嬉しいです！私もぷぺぱさんが書かれる作品が本当に大好きで何度も読んでます...！これからも応援してます！ (2021年2月1日 23時) (レス) id: c51d816da0 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぺぱ(プロフ) - ロクさん» え！私もロクさんのお話が凄く好きで繰り返し読んでます！ありがとうございます！ (2021年2月1日 23時) (レス) id: 533a84e8e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぷぺぱ
| 作成日時：2021年1月24日 1時
