アイドルを目指す少女はYSP能力者9 【妖怪学園】 (ページ22)

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するとデスコンダクターの体は

段々と小さくなっていき、

やがてシルクハットを被った男性へと姿を変えた。

コマ/マタロウ/フブキ/A『あぁっ!!』

サーカス団長「…ユウリ…ユウ…リ…」

サーカス団長はゆっくりとユウリの元へ

這いずっていく…。

ユウリ「……ん……」

やがて意識を取り戻したユウリは、

目の前に居るサーカス団長を見て

思わず飛び起き…。

ユウリ「うわぁっ!?」

ユウリの顔に登っていたサーカス団長は、

ユウリの手の中にそのまま落ちた。

ユウリ「何だい、これ…?」

A「……怨霊です」

ユウリ「えっ?」

サーカス団長「私は…ユウリと一緒に
居なきゃいけない…!
一緒に居ないと、ユウリの願いが叶わない…!」

ユウリ「僕の願い…?」

サーカス団長「昔、私のサーカスショーを
見に来てくれた時に言っていたじゃないか…!」

サーカス団長は、ユウリとの昔話を

周りに話し始める。

サーカス団長「そして【皆に注目されたい】と
願う気持ちが、ユウリの【皆を笑顔にしたい】という
気持ちに共鳴して…!」

A「ユウリさんに取り憑いたのですね……」

全ての話を聞き終えたAは

悲しげに俯いている。

サーカス団長「そう。彼の夢を叶える為に、
特別な力を授けた!」

ユウリ「貴方のおかげで僕は超能力者に…?」

サーカス団長「あぁ…でも、もうお別れのようだ…」

するとサーカス団長の体は

光を放ちながら透け始める…。

ユウリ「そんな…!」

サーカス団長「さようなら、ユウリ…!」

サーカス団長は最期に笑顔を見せると、

光と共に消えていった…。

ユウリ「あっ…」

A「あの……ユウリさんの超能力は、
本当に全てあの怨霊のおかげでしょうか?」

ユウリ「わからない…ただ、小さい頃、一度だけ…
その時曲げたスプーンを見て、皆が僕を凄いって
言ってくれたんだ。スプーン曲げが出来たのは
一度だけだけど、皆が笑顔になったのが嬉しくて、
僕はその日から超能力者を演じ始めた…。
そしたら、ある時本当に特別な力を
使えるようになったんだ」

A「……」

ユウリ「でも、もう超能力者は終わりだ…。
あの人が消えた今、僕は普通のつまらない奴に
戻った。僕の夢は、もう叶わない…」