【M!LK】居眠りホームズとスマホ刑事の事件簿下 (ページ4)

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8通話目④ ページ4

僕の目の前で、佐野先輩は大粒の涙を流してこちらを見ていた。
一体どういう状況だ、これは。
頭が割れるように痛い。
しかも、ここはどこだ…。
僕の嫌いな埃の匂いが充満してる。

佐野「柔太朗…？！生きてる…良かった…う、うう…」

なぜ佐野先輩は泣いてるんだ。
しかもどうやら、僕を見て泣いてるらしい。
おいおい、マジでなんだこの状況は。
僕は記憶を頼りに思い返してみる。

そう言えば、板垣所長と電話を終えた後、あのビルの様子を確認し、署に戻ろうとして…。
そうだ…。
そこで、何者かに頭を殴られたんだ。
この頭の痛みはそれか…。
僕はあたりを見回した。
ほどかれた縄が床に落ち、僕は椅子に腰かけている。
そして、佐野先輩のこの様子。
まさか、僕は誰かにここに、椅子に縛られて監禁でもされていたのか？
それで、佐野先輩が助けに来てくれた…？
それならばこの状況にも合点が行く。

佐野「無事で良かった…！！」

佐野先輩は僕の体をぎゅっと強く抱きしめてきた。
ちょ、ちょっと…。
でも、もしこうやって僕の為に助けに来てくれたのだとしたら、ほんの少し嬉しい。
いや、めちゃくちゃ嬉しくなった。

山中「先輩…苦しいですよ…」

その時、僕は佐野先輩の背後に、拳銃を構えた人影が立っているのに気がついた。