第三話�� ページ7
晴天の霹靂という言葉を知っているだろうか？
澄み渡った青空に、突然雷鳴が鳴り響くような、急に驚くことが起こる―
というような意味だ。
2人目の勇者、太智はそんな青天の霹靂の能力を持っている。
彼は何もないところから落雷を落とすことが可能なのである！
神「そしてわしはこう名付けた。"晴天の雑音勇者"とな！ほっほっほ！」
仁人「ほっほっほ！じゃない！明らかに私よりかっこいい能力じゃないか！雷を操るなんて！」
神「そんなこと言われてものう、こればっかりは」
仁人「まぁ、ネーミングはぴったりだがな」
太智「ふぅううう！！！ソルティ！ダイ！チャージ！！」
太智は自分の秘めたる能力に興奮し、ひっきりなしに落雷を起こしていた。
その音たるや、まさに雑音以外の何物でもない。
仁人「もうその辺にしておけ、近所迷惑になるぞ」
太智「ええ？！でもこの辺人いないし、大丈夫っしょ？！」
仁人「人がいなくても！こんなバカでかい音立ててたら、魔物が嗅ぎつけてやってくるかもしれないだろ！」
太智「そん時は俺のこの雷でちょちょいのちょいよ！」
仁人「かもしれないが、体力を無駄に使ってはダメだ。旅はまだまだ長い。仲間だってあと5人集めなきゃいけないんだ」
太智「俺一人で十分な気もするけどなあ」
神「無理じゃ。魔王を完全に倒すには、7人の勇者の力が必要じゃ」
姿は見えないが、神の声が二人には聞こえた。
太智「ちぇ！」
仁人「魔王とは一体どんな奴なんだ？」
神「強大な魔力を持っておる」
仁人「…」
太智「ふんふん、で？」
神「…」
仁人「…ん？」
太智「お？」
神「ん？」
仁人「え？それだけ？！」
神「えーっとぉ…、むっちゃ強い」
太智「絞りだしたのがそれかよ？！！」
神「仕方ないじゃろ！わしもあんまり知らんのじゃ！」
仁人「あんまり知らん奴を私たちに倒させようとしているのか？！」
神「そ、そういうわけじゃないんじゃが…、あ、神様会の集いがあるんじゃった。じゃあの！」
仁人「待てこら神！くそっ、そんな奥様会みたいな言い方しやがって！」
太智「あぁ！なんか俺不安になってきたぁ！！！」
仁人「落ち着け太智！雷を起こすな！」
「危なぁああい！」
すると、どこからともなく声がこだました。
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年7月15日 20時
