第十六話�� ページ47
7人の勇者は、大きく口を開けた、終焉の谷のどこまでも続く漆黒の谷底を覗き込んだ。
琉弥「底が見えないね」
柔太朗「この底から、とてつもない邪悪な気を感じる…」
？？？「この先には一歩も立ち入らせない」
仁人「誰だ？！」
「私は魔王様をお守りする四天王の一人！一度に大量の魔物を生み出せる、卵嚢四天王だ！」
7人の前に、カマキリのような魔物が現れた。
瑞生「やっぱりここに魔王がいるんだね」
卵嚢「お前たちが勇者だな。ここまで来たことは褒めてやろう。だがお前たちはここで死ぬことになる！」
そういうと、卵嚢四天王は自分の体から無数の卵を生み出し、その卵から次々と魔物が孵っていく。
舜太「うわっ、気持ち悪っ！！」
太智「おいおい、なんだよこの数！！？」
瑞生「ざっと1000匹はいるね…」
仁人「こんな数と戦えば体力が持たないぞ？！」
太智「瑞生の水晶玉、予備沢山あったろ？！あれに全部ぶち込めば！？」
瑞生「無茶言わないでくれよ…。水晶玉を使うのだってかなりの集中力がいるんだ。1個しかうまく使えないよ…」
柔太朗「ちっ…こうなっては仕方ない…戦うしかない！」
勇斗「待て待て。ここは、俺一人で十分だ」
仁人「お、おい！この数を見ろ！一人でなんてそんな…」
勇斗「ま、見てなって」
そういうと勇斗は魔物の群れに向かって歩いていく。
卵嚢「ん？まさかお前ひとりでこいつらの相手をするというのか？馬鹿め！一瞬で終わらせてやる！！」
勇斗「俺に見つめられた奴ら皆、胸がキュンキュンして息苦しくなるんだってさ」
卵嚢「はぁ？一体何言って…」
勇斗「佐野に、キュンキュン…」
勇斗は呪文を唱えはじめた！▼
魔物の群れの動きが止まった！▼
卵嚢「な、なんだ？！どうしたお前達！！」
魔物たちは苦しそうだ！▼
卵嚢「うぐっ？！な、なんだこれ？！い、息が…でき…」
勇斗「佐野キュンDEATH。なんてな」
魔物の群れは一瞬で力尽きた！▼
仁人「おおよそ攻撃とは思えない掛け声で、えげつない攻撃をした！！」
柔太朗「あれだけいた魔物を一瞬で…！」
琉弥「四天王まで倒れてるじゃん！！」
？？？「あいつは四天王の中でも最弱！次は俺が相手してやろう」
仁人「またか？！」
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年7月15日 20時
